2011 Fiscal Year Annual Research Report
時間記憶能の系統進化に対する実験的評価と非線形動力学構造
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20300105
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
中垣 俊之 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (70300887)
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Keywords | 生体情報 / 生物情報処理 / 記憶 / 進化 / 非線形動力学 / 結合振動子系 |
Research Abstract |
1、研究計画の概要 生物の記憶・学習・想起能力の系統分類学的発達度合いを実験的に調べる。標準試験として周期的環境変動め複雑さに対する記憶能力を様々な生物種で調べる。それらを統一的に説明するシンプルかつ本質的な数理モデルを構成する。粘菌の事例で成功した振動子集団モデルを基本的枠組みとして用いる。知的能力の進化を数理モデルの分岐構造として理解できるかどうか検討する。また、時間のみならず空間も含んだ環壌変動に対する、生物の適応能力についても総合的に検討する。 2、これまでの実績 (1)単細胞生物の粘菌とアカゾウリムシと車軸藻という三つの生物種で周期的イベントに対する時間記憶能があることがわかった。これは、この時間記憶能が、種固有のものでなく一般的に見られることを示唆する。 (2)時間記憶能は、温度・湿度記憶のみならず、光や電気の刺激に対しても見られることがわかった。これは、外界信号を受容する過程の奥に、情報処理を担う過程が存在することを示す。 (3)どの生物種の実験でも、周期刺激に対する予測が、常に成功するとは限らなかった。位相のずれ、反周期成分の応答、非常に長周期成分の応答などが大抵見られた。それらを特徴づけるために、各周期ごとにその振幅と位相の応答を振動モード解析により調べ始めた。また、バネ・ダンパー系の集団運動方程式モデルの構成にも着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生物の応答性に予想以上のばらつきが認められ実験条件の検討に時間を要している。しかしながら、そのばらつき自体に生理学的な意義が予想され、新たな展開を迎えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度が最終年度なのでぐできる限り生物実験を推し進める。生物種を粘菌、繊毛虫、車軸藻に絞る。
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Research Products
(7 results)