2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路形成におけるレドックスシグナリングとミトコンドリアダイナミクス
Project/Area Number |
20300133
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
柳 茂 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 生命科学部, 教授 (60252003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 暢子 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (30333222)
福田 敏史 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (50372313)
與那城 亮 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (60453809)
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Keywords | 神経ガイダンス / 活性酸素 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
1.セマホリンシグナリングにおけるCRAMの機能解析 CRAMによるセマホリンシグナルの抑制機構を解析した。紫外線照射などによるROSの発生に反応して、CRAM自身が酸化され、ユビキチン化されていることを見いだした。CRAMがROSのスキャベンジャーとして機能して微小管を保護していることが示され、神経突起形成のメカニズムに関与していることが示唆された。 2.セマホリンシグナリングにおけCRAGの機能解析 CRAGによるレドックスシグナルについて核内転写制御機構を解析した結果、CRAGにより活性化される2種類の転写因子が同定された。今後、この転写因子によって発現調節される遺伝子群が明らかになることが期待できる。 3.活性酸素によるCRAGの活性化機構の解析 活性酸素によりダイレクトにCRAGが酸化され、核移行することが明らかとなった。さらに、酸化されるシステイン残基が同定された。今後、CRAGのリン酸化による調節機構についても興味深い。 4.ミトコンドリアセプチンによる傷害ミトコンドリアの認識機構の解析 ミトコンドリアセプチンが傷害ミトコンドリアのcompartment(仕切り)に関与していることが示唆された。セプチンファミリーの共通の役割が明らかになるかもしれない。 5.MITOLによるミトコンドリア品質管理機構の解析 MITOLがミトコンドリアに蓄積した変性蛋白質をユビキチン化して分解を促進していることが証明された。ミトコンドリアの新しい品質管理機構を示すことができた。今後、神経変性疾患の病態との関連性を解析する必要がある。
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