2008 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾンシステムを用いた医学・生物学研究ツールとしてのラットリソースの構築
Project/Area Number |
20300142
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北田 一博 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (70263093)
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Keywords | ラット / トランスポゾン / ミュータジェネシス / 挿入突然変異 / 遺伝子ノックアウトラット / Sleeping Beauty |
Research Abstract |
ラットは、適度の大きさと豊富なゲノム情報を持つため、広範な医学.生物学領域で数多く使用される優れた実験動物である。そこで、トランスポゾンを用いて、1,500系統の挿入突然変異ラットを網羅的に作出し(最終目標)、その精液を保存して、医学・生物学研究ツールとしてのラットリソースの構築を図る。 そこで、本年度においては、トランスポザーゼ遺伝子を持つトランスジェニックラットとトラッピングベクターを持つトランスジェニックラットを交配させて、ダブルトランスジェニックラットを作出、その雄1匹に対してSlc : Wistar/ST雌2匹を同居させて産子を得た。生まれた直後の新生児に対し、全身にGFPを発現する個体のスクリーニングを行った。さらに、GFP陽性個体が転写単位である遺伝子をトラップしているか否かを、GFPのプライマーを用いた3'RACE法とダイレクトシークエンスによって確認した。以上の結果、235匹のGFP陽性個体のうち、トラップされた配列を得たものが170匹分、163種類の配列のうち、既存遺伝子は58種類、既存遺伝子にアンチセンスに挿入されているものが41種類、既存の転写単位外にマッピングされるものは60種類、マッピングできなかったものが4種類であった。 現在のところ、遺伝子ノックアウト動物として汎用されている実験動物種はマウスのみであるが、本研究が遂行されることにより、将来的には新薬開発に必須なラットにおいても遺伝子破壊ラットの整備が達成される、と期待される。
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Research Products
(1 results)