2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子間相互作用に基づく難聴発症機構解明のためのモデルマウスの樹立と応用
Project/Area Number |
20300147
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
吉川 欣亮 Tokyo University of Agriculture, 生物産業学部, 准教授 (20280787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
設楽 浩志 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90321885)
野口 佳裕 東京医科歯科大学, 医学部付属病院, 講師 (50282752)
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Keywords | 分子間相互作用 / 難聴発症機構 / ヒト難聴モデルマウス / DBA / 2J / カドヘリン23 / 4.1蛋白質 / Sans / Whirlin |
Research Abstract |
聴覚系で機能する遺伝子・蛋白質の分子生物学的解析には難聴モデルマウスが極めて大きな貢献を果たしてきた。そこで本研究は遺伝学の手法に基づき、複数の新規難聴モデルマウスを樹立し、これらと既存の難聴モデルを用いて難聴遺伝子間の分子間相互作用を実証し、難聴発症に関連する分子間ネットワークを解明することを目的として研究を実施し、以下の結果を得た。 (1)DBA/2Jの早発性難聴発症の責任遺伝子の単離・同定:DBA/2J(D2)の早期難聴発症に関与する遺伝子のポジショナルクローニングを試みた結果、昨年度報告したように、第5番染色体上に高いLODスコアを示すQTLが検出されたが、個体数およびマーカー数を増加して解析を行った結果、第5番染色体のQTLは少なくとも4個所認められ、これらの相加的効果によりD2の聴力に変化することが明らかとなった。また、免疫組織学的解析によりD2の内耳有毛細胞の感覚毛において難聴原因遺伝子の一種であるカドヘリン23が過剰発現していることが明らかとなり、検出されたQTL近傍に存在する遺伝子がカドヘリン23の発現を制御する可能性も考えられた。 (2)発現解析に基づく難聴発症に関与する分子間相互作用の解明:内耳有毛細胞において発現が認められていた4.1蛋白質の詳細な局在を調査した結果、4.1蛋白質のアイソフォームである4.1Bが感覚毛先端部に特異的に局在することが示され、さらに、感覚毛の形成不全マウスであるWhrnwiおよびMyo15sh2の感覚毛でその発現が欠損していることが明らかとなった(Okumura et al.2010)。 (3)2種の難聴マウスjsおよびwi間の2重変異体の作成と表現型比較:昨年度報告したようにSansjsおよびWhrnwi間の2重変異体は感覚毛の極性異常を示すが、この原因は感覚毛形成初期に有毛細胞上に存在する繊毛であるKinociliaの局在異常に起因することが明らかとなった。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Phenotypic and expression analysis of a novel spontaneous Myosin VI null mutant mouse2010
Author(s)
Eiji Mochizuki, Kazuhiro Okumura, Masashi Ishikawa, Sachi Yoshimoto, Junya Yamaguchi, Yuta Seki, Kenta Wada, Michinari Yokohama, Tatsuo Ushiki, Hisashi Tokano, Rie Ishii, Hiroshi Shitara, Choji Taya, Ken Kitamura, Hiromichi Yonekawa, Yoshiaki Kikkawa
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Journal Title
Exp. Anim. 59
Pages: 57-71
Peer Reviewed
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