2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子間相互作用に基づく難聴発症機構解明のためのモデルマウスの樹立と応用
Project/Area Number |
20300147
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
吉川 欣亮 東京農業大学, 生物産業学部, 准教授 (20280787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
設楽 浩志 財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90321885)
野口 佳裕 東京医科歯科大学, 医学部付属病院, 講師 (50282752)
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Keywords | 分子間相互作用 / 難聴発症機構 / ヒト難聴モデルマウス / ミオシンVI / カドヘリン23 / 加齢性難聴 / 修飾遺伝子 / ゲルソリン |
Research Abstract |
(1) 新規難聴マウスの原因遺伝子の同定:rsvマウスはミオシンVI(Myo6)欠損により難聴を発症する(Mochizuki et al.2010)。そこで既存のMyo6の突然変異体との交配による同座性テストを行なった結果、両者のコンパウンドヘテロ個体はすべて難聴および行動異常を示し、rsvマウスの発症責任遺伝子はMyo6であることが実証された。また、rsvマウスの突然変異はMyo6遺伝子の調節領域に存在することが示唆されたことから、次世代シークエンサーを用いてリシークエンスを行い、SNP解析を行ったが、Myo6遺伝子およびその近傍領域にrsv特異的なSNPは検出されなかった。 (2) 近交系マウスをモデルとした早発性難聴原因遺伝子の同定:汎用近交系マウスであるDBA/2JおよびNOD/Shiはマウス加齢性難聴の原因であるカドヘリン23(Cdh23)のahll変異の存在下で高度難聴を発症し、修飾遺伝子の影響で難聴発症が早期化する。その一つの修飾遺伝子が共通してマウス第5番染色体の約40Mbの領域に存在することが明らかとなり、この領域のゲノム配列を両系統間で比較した結果、その配列は両系統間で高度に保存されており、さらにこの領域内に存在する既存の難聴原因遺伝子で両系統特異的に保存されているSNPを同定した。 (3) 難聴モデルマウスを用いた分子間相互作用の解析:Whirlin(Whrn)およびミオシンXV(Myo15)を中心とするWHRN-MYO15ネットワークは内耳有毛細胞の感覚毛伸長に機能する。本年度このネットワークに含まれる新たな蛋白質としてゲルソリンを同定した(Mburu et al. 2010)。さらにゲルソリンの発現はWhrnおよびMyo15の突然変異体であるwiおよびsh2マウスの感覚毛での発現の欠損および発現部位以上が認められた。
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Research Products
(8 results)