2008 Fiscal Year Annual Research Report
ICA、ECDL、DBNを利用した、単一試行脳波によるBCIの開発
Project/Area Number |
20300196
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 敏正 Kyushu Institute of Technology, 大学院・情報工学研究院, 教授 (50392163)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 勝裕 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 教授 (00150516)
前田 誠 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 助教 (00274556)
|
Keywords | 単一試行脳波 / BCI / ICA / ECDL / 数量化分析II類 / 標準脳 / DBN / 確率推論 |
Research Abstract |
単一試行脳波によるBCIを開発するために、本研究では「研究目的」に記載した6つ研究項目の中から、H20年度の「研究実施計画」に基づき、(1)他の被験者データへの適用、(2) ECDL結果の自動読取、(3) ECDL結果の時間的推移を考慮した分類法の確立、を予定通り実施した。 (1)左手と右手の動作イメージ遂行中に32チャネルで計測したEEGにICA、ECDLを適用し、ECDL結果を数量化分析II類で学習させた。その結果、新たに3名の被験者で左手/右手イメージの良好な識別性能を得た(具体的には、相関比が、3名の被験者で、それぞれ、0.9909、0.9946、0.9748であった)。また、数量化分析II類に用いるカテゴリーとして、左右の運動野および運動前野に注目することが、他の脳内部位、例えば、左右の体性感覚野や視覚野と比べて、はるかに識別性能が高い事も明らかになった。(2)各被験者のMRI画像をTalairach標準脳に変換し、この標準脳に備わっている、脳内の3次元座標と対応する脳内部位名称のデータを利用して、ECDL結果を自動的に読み取るシステムを開発した。予備的な本システムの性能結果は、脳解剖学の本との一致率が約60%であった。(3) DBNを構築する前に、BNを構築するアルゴリズムを考案し、実際の単一試行脳波データの学習を行った。その結果、2名の右利き被験者データに対して、初期BNモデルとして、約15個のノード(脳内部位)から成るBNを構築した。更に、確率推論により、特に左右の運動野の活性に注目した。その結果、右手イメージの場合には左右の運動野の活性に有意な違いが認められたが、左手イメージの場合には有意な違いが認められなかった。この知見は、BNモデルにより左手/右手イメージが識別可能であることを示唆する共に、(1)の左右の運動野に注目することの妥当性を強く主張する。
|