2008 Fiscal Year Annual Research Report
トレーニングラットの骨格筋細胞収縮中における興奮収縮連関のナノイメージング
Project/Area Number |
20300217
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
竹倉 宏明 National Institute of Fitness and Sports in Kanoya, 体育学部, 教授 (00206963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 規克 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60152659)
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Keywords | 骨格筋 / 神経筋接合部 / 組織化学染色 / トレーニング / 筋線維タイプ / 筋衛星細胞 / 張力 / 筋疲労 |
Research Abstract |
運動神経から筋への情報伝達の場は、シナプスと呼ばれ、筋の機能、特に疲労特性の変化に大きく影響を及ぼす。本研究では、運動負荷刺激の増大に伴う神経筋接合部の機能的・構造的変化を検討した。Fischer344系雌ラットに対して生後5週齢から13週齢まで小動物用トレッドミルによる持久性走運動を行わせた。持久性トレーニング・協働筋摘出に伴い、相対的筋重量の増加や疲労耐性の向上が認められた。直接刺激と間接刺激の発揮張力の比率がトレーニングにより減少することから、持久性の向上は神経筋接合部由来にも起きていたことが示唆された。疲労曲線に現れる持久性向上の内で、筋性の疲労耐性の向上はType IId線維比率の有意な増加や毛管数の増加、全ての筋線維タイプにおけるSDH活性の上昇と関係していたと考えられる。神経筋接合部の持久性の発達は、筋の酸素供給能や酸化系エネルギー再合成能の発達率と平行して起こることが考えられた。過度の筋収縮により発生する筋損傷後の修復機構を観察する目的で、修復時に重要な役割を担う筋衛星細胞を検討した。麻酔下にてラットの前脛骨筋の皮膚上に刺激用皿電極を装着し、筋が最大強縮を起こす電気刺激を行い筋を損傷させた。筋損傷を生じてから1、2日後に、細胞間質の増加やマクロファージ等の浸潤と考えられる筋重量の一過性の増大がみられた。また、最大張力は2〜5日後に有意に低値を示した。損傷3日後の骨格筋では小径の筋管細胞に複数のM-cadherinを近傍にする核が見られ、衛星細胞の増殖が起こっていることが予測された。3日後の筋縦断切片をMyoD、dystrophyn重染色により観察した結果、細胞膜が隆起している筋線維が観察され、隆起の内にはMyoDを発現している核の存在が確認された。縦断切片に見られるM-cadhehnの広がりが衛星細胞の増殖と同時に起きていることが予測された。
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Research Products
(6 results)