2009 Fiscal Year Annual Research Report
トレーニングラットの骨格筋細胞収縮中における興奮収縮連関のナノイメージング
Project/Area Number |
20300217
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
竹倉 宏明 National Institute of Fitness and Sports in Kanoya, 体育学部, 教授 (00206963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 規克 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60152659)
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Keywords | 骨格筋 / 筋損傷 / 免疫組織化学染色 / 筋再生 / 筋衛星細胞 / M-カドヘリン / 蛍光顕微鏡 / ミオシン |
Research Abstract |
運動に伴い骨格筋線維の一部分に発現する損傷は、筋衛星細胞(サテライト細胞)を活性化させ、増殖、分化、融合といった一連の過程により筋線維の再構築を引き起こす要因になると考えられている。本研究では、筋損傷が筋衛星細胞の増殖、増殖停止、セルフリニューアル、分化、壊死・遊走などを引き起こす可能性を単一筋線維を用いて検討し、筋線維の再生に関わる筋衛星細胞の動態を明らかにすることを目的とした。生後7週齢のF344系ラットの長指伸筋(EDL)を麻酔下にて露出し、1mm幅のピンセット先端にて強く圧迫することで損傷を惹起した。損傷1、2、3、5日後にEDLから単一筋線維を摘出し、細胞周期、分化の決定マーカーと筋衛星細胞のマーカー(M-cadherin)により免疫化学染色を施した。損傷1、2日後に、細胞間質の増加やマクロファージの浸潤と考えられる筋重量の一過性の増大が認められた。損傷3日後の骨格筋では、小径の筋管細胞に複数のM-cadherinを近傍にする核が観察され、衛星細胞の増殖が起こっていた。3日後の筋縦断切片をMyoD、dystrophin重染色により観察した結果、細胞膜が隆起している筋線維が観察され、隆起の内部にMyoDを発現している核の存在が確認された。損傷3日後までに、増殖と細胞周期停止を示す筋衛星細胞が損傷部から2.6mm以内において5倍以上に増加していた。増殖した筋衛星細胞の中で、セルフリニューアルする細胞は損傷部より遠位部においてより多く発現したが、増殖した筋衛星細胞の壊死は観察されなかった。従って、ミオシンの新生は損傷近端で積極的に起きるが、遠位部では起こりにくいと考えられる。損傷後の回復した筋において筋衛星細胞が増加したという報告がないことから、遠位部において増加した筋衛星細胞の損傷部への遊走の可能性が考えられる。
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Research Products
(5 results)