2009 Fiscal Year Annual Research Report
認知的徒弟制に基づく学習スキルの段階的獲得・向上支援環境の構築
Project/Area Number |
20300266
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
柏原 昭博 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (10243263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 成良 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90008532)
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Keywords | 教育工学 / 認知科学 / 認知的徒弟制 / 学習スキル / 知的学習支援 / 認知ツール |
Research Abstract |
真正な研究活動文脈での学習スキル獲得・向上を支援することを目標に、本年度は平成20年度に開発した学習スキル獲得支援メカニズム、真正な文脈との連携支援メカニズムを洗練・統合して、段階的にスキルアップを図るシステムを開発した。具体的には、以下の(1)~(3)を行った。 (1)学習スキル獲得支援メカニズム・連携メカニズムの洗練:予備実験の結果を踏まえて、認知ツールを用いた学習スキル獲得支援メカニズム(自己調整の観察・遂行・自己評価・適用支援)、および真正な文脈との連携支援メカニズムを改善した。 (2)段階的なスキルアップ支援システムの開発:自己調整の観察、遂行、自己評価、適用の状況を踏まえて、認知的徒弟制に基づき研究の初心者が段階的にスキルアップを図るメカニズムを開発した。ここでは、自己調整プロセスに行き詰まりを生じた際、学習者のスキルレベルを推定し、次に学ぶべき段階を同定して自己調整を行わせる手法を検討した。 (3)ケーススタディの実施:(2)の支援システムを大学生・大学院生に使わせて、自己調整スキルの向上、学習効果・効率に与える影響を調査した。ここでは、研究活動に関連したWebリソースを仮想的な文脈で学ぶという場面を設定した。その結果、認知ツールの操作履歴からスキルアップおよび学習効率の向上が認められた。同時に、スキルレベルを的確に推定することが困難であることが分かった。そこで、学習者がスキルレベルを自己認識しながらスキルアップを図る手法について検討した。 近年、様々なコミュニティでの真正な活動において、Webを活用した学習スキルが非常に重要となりつつある中で、以上のような段階的な学習スキルアップ支媛手法を提供する本研究成果の意義は大きい。なお、本年度の研究成果は、学習支援研究に関連する国内外の会議、研究会、および学術雑誌において公表した。
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Research Products
(20 results)