2008 Fiscal Year Annual Research Report
読み書き障害児の認知神経科学的特性に基づいた支援法開発に関する研究
Project/Area Number |
20300281
|
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
稲垣 真澄 National Center of Neurology and Psychiatry, 精神保健研究所・知的障害部, 部長 (70203198)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加我 牧子 国立精神・神経センター, 精神保健研究所, 所長 (20142250)
矢田部 清美 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・知的障害部, 流動研究員 (90455410)
|
Keywords | 学習障害 / 神経生理学 / 続み書き障害 |
Research Abstract |
本研究の目的は通常学級に通う発達性読み書き障害児の読み書き支援法を構築することであり、認知神経科学的類型化に基づいた方策を開発することにある。 2008年度は、個々の児童の認知特性に即した支援法につなげるために、低次から高次脳・認知機能に渡る検査手法を開発・施行した。検査手法が確立しているもの、特に、健常の発達との比較を可能とする各年齢群の健常児の平均値(標準値)が明らかなものは、既存の検査手法を取り入れた。一方、検査手法が確立されていなかったものについては、新たに開発・標準値作成をし、類型化検査バッテリーに組み入れることとした。 読み書き作業に必要な、低次認知機能を計測する方法として、特に大細胞系視覚情報処理障害を確認する神経生理検査、視空間認知検査、眼球衝動性運動検査、音韻処理検査、視空間・聴覚記憶検査を、また、高次認知機能検査の観点から、語彙獲得検査、ひらがな読み機能検査、漢字読み書き機能検査を整備し、個人の各検査得点をもとに、支援手法を決定することが可能となりつつある。 大細胞系視覚情報処理障害では新たな高頻度サイン波視覚刺激システムを構築し、健常成人・小児を検査し、視覚路の大細胞機能反映を確認できた。漢字読み書き機能検査では、先行研究成果で数値化された漢字・熟語の特性を付与することにより、類型化に必要な小学生低学年〜中学年漢字熟語コーパス・データを構築した。さらに健常小児492名に検査を施行し、各年齢群の健常児の平均値(標準値)を作成した。今後は、両検査共に障害児検査を施行し診断・類型化をし、さらに検証作業をすすめる。上記検横断的検査はいずれも、「臨床研究に関する倫理指針」を遵守した上ですすめられた。
|
Research Products
(10 results)