2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20310002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉川 久幸 (井 上 久幸) 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 教授 (60344496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緑川 貴 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 部長 (10414517)
橋田 元 国立極地研究所, 気水圏研究グループ, 助教 (00280537)
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Keywords | 南極海 / 二酸化炭素分圧 / 炭酸系 / 海洋生物生産 / 白鳳丸 / 海鷹丸 / 溶存無機炭 / アルカリ度 |
Research Abstract |
本研究は、南極海の二酸化炭素(CO_2)吸収とその変動要因(特に生物活動の影響)を解明することを目的とする。これは南極海の二酸化炭素吸収量評価が不確実であり、全球炭素循環理解の障壁となっていること、二酸化炭素吸収による長期的な酸性化の実態を把握する必要があることから設定したものである。平成22年度は、12月から1月にかけて白鳳丸(海洋研究開発機構)に大気海洋二酸化炭素測定装置及び溶存酸素連続測定装置、半揮発性有機物測定装置を搭載し、インド洋セクター昭和基地沖の南極海で各機関が協力して海洋観測を実施した(白鳳丸は平成23年度2月17日に東京、晴海に帰港した)。船上で取得した観測データは北海道大学・気象研究所で整理し、海水試料中の溶存無機炭、pH、全アルカリ度については国立極地研・気象研究所で分析中である。海洋炭酸系の観測のうち、二酸化炭素分圧については、季節海氷近辺の海域で分圧が低くなっていると共に溶存酸素が増加し、生物活動による影響が確認された。これらの観測データにより生物生産(一次生産)の連続的な評価が可能になると期待される。また、海鷹丸(東京海洋大)において、半揮発性有機物以外は白鳳丸と同じ観測をほぼ同時期に、タスマニア島(オーストラリア)の南部で実施し、結果的に南極海広域におけるデータを取得することが出来た。データの解析および海水試料の分析については、白鳳丸と同じ役割分担で実施している。海洋観測が終了したばかりであり、本格的な解析は今後になるが今回の観測では、例年よりも海氷の張り出しが大きく残っており、生物生産、ひいては炭素循環に海氷が及ぼす影響について詳細な解析が出来るものと期待される。
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