2008 Fiscal Year Annual Research Report
硝酸の三酸素同位体組成を指標に用いた大気から沈着した窒素の環境動態解析
Project/Area Number |
20310003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
角皆 潤 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (50313367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 浩志 北海道大学, 独立行政法人国立環境研究所・大気圏環境研究領域, 主任研究員 (30342736)
神田 譲太 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (60202032)
野口 泉 北海道大学, 北海道環境科学研究センター・環境科学部, 環境科学科長 (10442617)
小松 大祐 北海道大学, 大学院・理学研究院, 博士研究員 (70422011)
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Keywords | 窒素沈着 / 三酸素同位体 / 大気化学 / 海洋化学 / 栄養塩 / 水環境 / 陸水学 / 一次生産 |
Research Abstract |
本研究では、一般水環境試料中に含まれるNO 3-の△^<17>O組成を実測し、その水平・鉛直分布や時空間変動、さらに他のパラメータとの比較等を行うことで、水環境中のNO 3- <atm>混合比のトレーサーとしての△^<17>O組成の信頼性を検証して、その有用性を実証することを目的としている。他のパラメータとの比較による検証では、全NO 3-中に占めるNO 3- atm混合比は、定常状態下ではNO 3-新生産速度に対する沈着速度の相対比に等しいことを利用する。 本年度は以下の4項目について研究を遂行した。(1)大気・降水・エアロソル試料の採取・各種基本パラメータの分析:北海道札幌市および利尻島などに設置したモニタリングステーションにおいて、各種沈着試料を専用サンプラーを用いて捕集し、回収した。回収試料は常法に従って濾過を行い、溶存NO 3-濃度はもとより、pH・主要溶存成分濃度・NO 3-やNH 4+の沈着フラックスなどの定量を行い、三酸素などの同位体測定に供した、(2)陸水試料の採取・各種基本パラメータの分析:利尻島において流出する地下水試料の採取を行った。回収試料は濾過を行い、溶存NO 3-濃度はもとより、主要溶存成分濃度などの定量を行い、三酸素などの同位体測定に供した、(3)海水試料の採取・各種基本パラメータの分析:東京湾の定期観測を利用して湾内において表面海水試料を時系列で採取し、溶存NO 3-濃度を定量するほか、必要に応じて他の基本パラメータ(栄養塩濃度・酸素濃度・ボトル培養に基づくNO 3-新生産量など)の定量を行った、(4)三酸素同位体組成分析:各試料について三酸素同位体組成を実測した、(5)NO 3- atm混合比の算出・指標としての信頼性の検証およびNO 3-沈着速度の計算:NO 3- atm混合比率を算出する際に立脚したいくつかの仮定に問題が無いか、各水系におけるNO 3-沈着量とNO 3-新生産量の実測値から検証した。また海洋域ではNO 3-沈着量の実測が難しいため、化学輸送モデルを利用して算出した。年度内成果について国内の学会等で報告した。
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Research Products
(10 results)