2008 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化と海洋の酸性化に対するサンゴ礁生態系の応答と激変
Project/Area Number |
20310014
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
大森 保 University of the Ryukyus, 理学部, 教授 (00045022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 弘行 琉球大学, 理学部, 助教 (20398308)
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Keywords | サンゴ礁 / 温暖化 / 酸性化 / 石灰化 / 生態系 / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
1.野外観測 1)サンゴ礁炭酸システムの長期変動の観測 (1)瀬底島に設置してある炭酸システムの自動計測装置および水質監視用ゾンデを利用して長期連続観測をおこなった。 (2)炭酸系成分の日変動、月変動を観測した。 (3)サンゴ礁海域の潮流変化を考慮したボックスモデルを用いて、サンゴ礁生物群集による生物生産(光合成・石灰化)の時系列データを得た。 2.飼育実験 1)サンゴ礁生物群集による代謝機能の応答の解明 「連続流水混合システム」を用いて、サンゴ礁生物の代謝(光合成-呼吸、石灰化)量および微量元素の吸収量を測定し、炭酸系変動の指標の可能性を追求した。 2)サンゴ礁生物による骨格形成の応答の解明 (1)海水温度を22℃、26℃および30℃の一定条件下でサンゴAcropora飼育し、骨格中に含有する無機金属元素濃度(ウランおよびMg,Srなど)の分析をおこない、水温および海水中の炭酸システム変動との関係について解明し、第11回国際サンゴ礁シンポジウム(7月、マイアミ)にて発表した。 (2)八方サンゴ類の骨格形成ついて、関係する国内外の研究者と共同研究をおこない、基質タンパク質、骨格構成鉱物、微量金属元素組成と環境因子との相互関係について解明し論文発表した。また八方サンゴの骨片からタンパク質を分離精製する方法および抽出した酵素タンパク質について特許申請した(2009年3月)。 3)日本地球惑星科学連合大会(5月、東京)、国際サンゴ礁シンポジウム(7月、マイアミ)、日本地球化学会年会(9月)、日本サンゴ礁学会(11月)に参加し論文発表と研究交流した。
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