2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規な金属原子単層担持グラファイト性多孔質ナノカーボンの創成
Project/Area Number |
20310062
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
西 信之 Institute for Molecular Science, 物質分子科学研究領域, 教授 (60013538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十代 健 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 助教 (60317302)
西條 純一 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 助教 (00390641)
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Keywords | グラフェン / ナノカーボン / メソ多孔体 / スーパキャパシタ / 2次電池 / 触媒担持 / BET表面積 |
Research Abstract |
21年度に、多層グラフェン壁を有するGraphene-multiwalled Alveolate Carbonの合成に成功した。これは、MCNDが主として単層グラフェンで出来ているのに対して、中央の電気伝導層と両サイドの金属との接触層とに分離される3層以上のグラフェン壁から出来ており、化学的な安定性が高くなっている。合成の骨格は、炭素内に銅のナノ粒子を分離させ、熱や酸によって銅を外に出すことによって空洞を作ることにあるが、本年度は、この銅ナノ粒子を融点以上の高温加熱と硝酸溶解法によって除去し、空洞を作成した。この時の加熱操作によって、カーブした多層グラフェン壁のシート間の間隔がグラファイトに近くなり、燃焼温度も600℃を越えるようになる。BET比表面積は300m^2/gであったが、ミクロポアは少なく、殆どが10-20nmのメソポアであり、窒素吸脱着曲線に典型的なヒステリシスが窒素の分圧0.5-0.85の範囲にほぼ350mg/gのプラトーとして観測され、比較的均一なメソポアの存在が明らかになった。このポアの中に、還元法により錫等の金属をナノ粒子として担持した。融解浸透法では、スポンジのように錫が吸い込まれてゆくが、直ぐにナノ粒子の合体が起こり、バルクと同じ性質を示してしまった。有機溶媒中で還元を行う液相還元法が最も理想的な錫担持状態を作り出し、高出力リチウムイオン電池負極として有望な材料を提供できることが明らかになった。更に、二酸化マンガン等の担持にも成功し、空気電池への応用にも展開している。
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