2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規な金属原子単層担持グラファイト性多孔質ナノカーボンの創成
Project/Area Number |
20310062
|
Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
西 信之 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 教授 (60013538)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十代 健 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 助教 (60317302)
西條 純一 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 助教 (00390641)
|
Keywords | グラフェン / ナノカーボン / メソ多孔体 / スーパキャパシタ / 2次電池 / 触媒担持 / 燃料電池 |
Research Abstract |
21年度に、多層グラフェン壁を有するGraphene-multiwalled Alveolate Carbon (GAC)の合成に成功した。これは、Mesoporous Carbon Nano-Dendrite (MCND)が主として単層グラフェンで出来ているのに対して、中央の電気伝導層と両サイドの金属との接触層とに分離される3層以上のグラフェン壁から出来ており、化学的な安定性が高くなっている。22年度は、MCNDのポアの内壁へ白金層の担持に成功し、現在市販されているケッチェンブラックの高性能品に比べて、活性白金触媒表面積、電気化学的活性度、発電電位、空気中での動作性能等が特に高い相対湿度領域で25%以上の高性能を示した。特に、空気雰囲気では、2.0A/cm^2という高電流密度という高い限界密度を示し、自動車のような動力源への応用には最適な物質系を提供している。一方、リチウムイオン2次電池負極材料開発に於いては、GACのポア内にシリコン層を析出させる簡単な手法を開発し、容量的には20充放電サイクル以後は殆ど劣化無く1200mA/cm^3を保ったが、充放電効率は98%であった。実用化のためには、これを99.9%の限界まで近づける必要があり、シリコンの表面に劣化防止金属膜をコートすることによってこれを実現すべく改良中である。また、GAC製造過程にマイクロ波加熱法を導入する事によって、グラフェンシート間の理想的な密着を実現し、末端のカルボキシル基を二酸化炭素として追い出し、有機電解質溶液との親和性の向上を図っている。本研究は、23年度より企業の研究所に於いて実用化に向けた大量生産の検討に入る予定である。
|