2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20310072
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡慶次 学 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60311437)
|
Keywords | マイクロ化学チップ / 細胞アッセイ / リアルタイムPCR |
Research Abstract |
本年度は、前年度に概念設計した統合デバイス(培養・細胞破砕デバイスとDNA抽出・リアルタイムPCR・蛍光検出デバイスを統合したデバイス)を試作し、試作したデバイスの性能評価と改良・最適化を行った。 (1) 統合デバイスの性能評価:酵母をモデル細胞として試作した統合デバイス内で培養し、破砕・DNA抽出を行った後に、リアルタイムPCR・蛍光測定を行ったが、リアルタイムPCRの際に溶液が漏れることが分かった。この溶液の漏れは、温度昇降(PCRサイクル)によりバルブ部から溶液が漏れることが原因であるごとが分かった。 (2) 統合デバイスの改良・最適化:温度昇降に伴う溶液の漏れをなくすために、前年度から取り組んできた新規ニューマチヅクバルブ(光硬化性樹脂とテフロンのフィルムを利用したマイクロバルブ)を組み込んだ。これにより加熱時の溶液の漏れをなくすことに成功した。さらに、これらの評価のより、このバルブは熱応答性を持つことが明らかとなった。このバルブの弁は加熱により大きく変形するため、弁を閉じるために空気圧を必要としない。つまり、PCR時には自発的に弁が閉じて、DNAを含む溶液をデバイスのチャンバー内に閉じ込めることができる。このバルブは、空気圧を供給するボンベなどの外部装置がいらないので、デバイスの小型化・低コスト化が可能となる。 今後は、この統合デバイスの並列化に取り組んでいく予定である。
|
Research Products
(15 results)