Research Abstract |
本研究は、これまで研究室で1977年より3年ごと実施・蓄積してきたCSデータ及びそれに基づく分析から得られた,CSの平均レベルの国による有意な差とその文化の影響、景気感バイアスの存在等の知見をベースにCS測定を米国やドイツでの国家レベルのCS調査のフレームワークに対応した全産業に拡大し、国家による差、産業による差、そして時系列的変化の生成メカニズムに拡張、解明を目指すものである。 今年度は研究の初年度にあたり,製品,サービス,公共サービスを含む14の産業を対象とした国内外におけるアンケート調査に基づき,CSやその関連指標,スイッチングコストをはじめとする市場特性,そしで性別,個人や国がもつ文化等をその要因,モデレータとして,再購買等の消費者行動への関連性メカニズムについて分析を行った.その結果,CSとブランドイメージが最も再購買に影響を与え,それに品質期待,知覚品質,知覚価値,そしてスイッチングコストが続くことを示した.また,女性は男性に比べて,ブランドイメージを重視し,個人主義的傾向の強い消費者はブランドイメージに左右されず,スイッチングコストにも影響されないなど,マーケティング戦略上においても有益な示唆を与える結果が得られている. CSアンケート調査は日本のみならず,中国,米国,フランス,ボリビアなど国家レベルの文化的違いなどを踏まえた上で大々的に行っており,次年度以降も継続してデータ収集を行うことで,各国におけるCSの実態および,その生成メカニズムについての国際比較を行う上での仮説生成,ならびに分析フレームワークに関する準備が整った.
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