2009 Fiscal Year Annual Research Report
劣モジュラ的構造に基づく離散最適化基礎理論の展開と高速アルゴリズム開発
Project/Area Number |
20310088
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤重 悟 Kyoto University, 数理解析研究所, 教授 (10092321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 覚 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00263161)
牧野 和久 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 准教授 (60294162)
来嶋 秀治 京都大学, 数理解析研究所, 助教 (70452307)
平井 広志 京都大学, 数理解析研究所, 助教 (20378962)
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Keywords | 離散最適化 / アルゴリズム / 劣モジュラ関数 / 細合せ最滴化 / 数理計画 |
Research Abstract |
平成21年度の主要な研究成果は以下の通りである。 1.グラフ上の点被覆問題を、非負劣モジュラ関数を費用関数とする場合に拡張し、劣モジュラ関数の離散凸性を利用して近似比2の近似アルゴリズムを設計し、さらに、この手法を一般の集合被覆制約に拡張した。 2.無向グラフのソース配置問題や外部ネットワーク問題の自然な一般化である、正モジュラシステムにおける最小横断を求める問題を考察し、その問題に現れる極小不足集合族がハイパー木になるという特徴付けを与え、それによって、無向グラフのソース配置問題や外部ネットワーク問題が多項式時間で解けることを示した。 3.有限分配東上の対数優モジュラ分布に対して、単調なマルコフ連鎖を設計し、完壁サンプリング法を実現した。単調なマルコフ連鎖が設計できるための必要条件が、定常分布が対数優モジュラ分布であることを明らかにした。 4.端子集合の2分割の族に対して、いかなるネットワークにおいても、その2分割族に属する分割について同時にその分割間の最大流となる多品種流が存在するための分割族の特徴付け(multiflow locking theorem)がKarzanovとLomonosovによって与えられているが、これを、2分割とは限らない半分割族へと拡張した。 5.双劣モジュラ関数最小化の強多項式時間アルゴリズムを導出した。 6.有向非巡回的グラフにおける枝素な内向木・外向木対を見出す線形時間アルゴリズムを導出した。 7.パラメトリックな劣モジュラ交わり問題に対するシステム分解の構造理論を構築した。 8.線形不等式制約を有する離散凸関数最小化の多項式時間アルゴリズムを示した。
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