2010 Fiscal Year Annual Research Report
劣モジュラ的構造に基づく離散最適化基礎理論の展開と高速アルゴリズム開発
Project/Area Number |
20310088
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤重 悟 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10092321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 覚 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00263161)
牧野 和久 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 准教授 (60294162)
来嶋 秀治 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (70452307)
平井 広志 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (20378962)
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Keywords | 離散最適化 / アルゴリズム / 劣モジュラ関数 / 組合せ最適化 / 数理計画 |
Research Abstract |
平成22年度の主要な研究成果は以下の通りである。 1.劣モジュラ最適化の応用研究として,Schrijver(1978)のポリリンキング・システムを用いたフローのモデルを導入した.この枠組みは,非巡回有向グラフ上の通常のフローの他に,無線通信網における干渉効果を考慮した情報伝送に関するAvestimehr,Diggavi,Tse(2007)のADTモデルを含んでいる.新たなモデル上での最大流量最小カット定理を導出するともに,高速Fourier変換と劣モジュラ関数最小化を用いて,ADTモデルにおける最大流量を計算する効率的なアルゴリズムを与えた. 2.充足可能性問題に対する確率的考察などと関連し多項式可解性が予想されていたホーン論理関数の解集合の連結性の問題がcoNP完全であること,またホーン関数が特徴集合で表現されている場合は,多項式時間で解けることを示した. 3.完全情報下での平均利得に対する確率ゲームにおいて,ランダムノード数が定数のとき,そのゲームがエルゴード的であるかどうかを判定し,エルゴード的であれば均衡解を計算する,擬多項式時間アルゴリズムの開発した. 4.離散化Dirichlet分布に対して,ランダム生成アルゴリズムを構築し,その理論性能を解析した.特に,離散化Dirichlet分布は対数分離凹関数ではないため,alternating inequalityの概念を導入し,特別な解析を行うことで,性能の理論保証を与えることに成功した. 5.有向多品種流問題の幾何学的双対性理論を展開し,それに基づいて,今まで知られていた有向多品種流の整数性定理を拡張・分類し,そしてフラクショナリティを完全に決定した.
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Research Products
(10 results)