2011 Fiscal Year Annual Research Report
劣モジュラ的構造に基づく離散最適化基礎理論の展開と高速アルゴリズム開発
Project/Area Number |
20310088
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤重 悟 京都大学, 数理解析研究所, 特任教授 (10092321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 覚 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (00263161)
牧野 和久 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (60294162)
来嶋 秀治 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (70452307)
平井 広志 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 講師 (20378962)
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Keywords | 離散最適化 / アルゴリズム / 劣モジュラ関数 / 組合せ最適化 / 数理計画 |
Research Abstract |
劣モジュラ構造の観点から見えてくる新たな研究の展開の可能性を追求し,重要な成果が得られた. 主要な成果は,具体的には,以下の通りである. 1. 干渉効果を考慮した無線通信網のモデル化として近年提案されたADTモデルにおける通信容量を計算する問題を抽象化して,ポリリンキングシステムを繋げた形のフロー問題の枠組みを提案した.さらに,この枠組みを用いて,ADT モデルにおける通信容量を高速に計算するアルゴリズムを設計した.さらに,ここで提案されたフローモデルは,ポリリンキングシステム間をより一般的な繋げ方にしたモデルとして一般化した形で,強力な組合せ最適化モデルである劣モジュラフローモデルと同値であることを明らかにした. 2. 順列に関するオンライン予測について,既存手法がO(n^2)領域O(n^7)時間であったのに対し,O(n)領域O(n^2)時間のアルゴリズムを与えた.既存手法は数値計算を基にしていたのに対し,提案手法は劣モジュラ多面体に着目した議論に基づいて改良された.特に置換多面体中の点の乱択丸めに関して,時間計算量,領域計算量とも最適なアルゴリズムを設計した.提案手法は理論オーダーの意味で優れるのみならず,計算機実験においても,実装の容易性,計算効率性,解の品質において,先行研究を上回ることが確認された. 3. 最小ノルム点アルゴリズムを用いた,劣モジュラ関数最小化のアルゴリズムが実用的なアルゴリズムであることを計算機実験で確認し,その結果を学術論文として公表すると共に,ソースコードを公開した. 4. 2002年に Hofmeister, Schoning, Schuler, Watanabによって提案された3-SATに対する乱択アルゴリズムを脱乱択化することにより,3-SATに対して現在最速のO(1.3303^n)時間アルゴリズムを開発することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に研究成果を得て、国際会議や国際学術論文誌に発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は研究の総括として、成果の取りまとめに集中する。
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Research Products
(8 results)