2010 Fiscal Year Annual Research Report
アロディニア誘発にかかわる新規受容体の探索プローブの創製
Project/Area Number |
20310131
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
古田 享史 岐阜大学, 医学系研究科, 准教授 (40173538)
|
Keywords | アロディニア / 受容体 / アクロメリン酸 / 陽電子放射断層画像撮影法 / PET |
Research Abstract |
前年度に続いて、アロディニア誘発にかかわる新規受容体を探索するための陽電子放射断層画像撮影法(PET)プローブの合成を行った。まず、マウス髄腔内への投与により強力なアロディニア誘発作用を示すアクロメリン酸と同等の活性を持つアゴニスト化合物POPA-23のPETプローブ化を検討した。^<11>CH3導入のための前駆体ホウ素化合物を合成し、前年度に確立した高速メチル化-脱保護をワンポットで行う手法を適用して高い放射比活性を持つ[^<11>C]POPA-23を合成した。このPETプローブを健常ラットに投与し、in vivoでの動態イメージング解析を行ったところ、脳・脊髄へはほとんど移行しないことが明らかとなった。そこで、ラットの脳・脊髄組織の切片を作製し、[^<11>c]POPA-23を用いたin vitroオートラジオグラフィー実験を行った。その結果、全体的にトレーサーの集積量が少なく、特異的な結合部位を検出することはできなかった。続いて、アクロメリン酸により誘発されるアロディニアを競合的に抑制するアンタゴニスト化合物aPOPA-10のPETプローブ化を検討した。 POPA-23の場合と同様に前駆体ホウ素化合物を合成し、ワンポットによる高速メチル化-脱保護法を活用して、高い放射比活性を持つ[^<11>C]aPOPA-10を合成することに成功した。このPETプローブを用いてin vivoおよびin vitroでのイメージング解析を行ったが、特異的な集積を観測することはできなかった。一方、前年度に行った[^<11>C]PSPA-4によるin vitroオートラジオグラフィーの詳細な解析を行い、同プローブの結合部位が大脳皮質、海馬、脊髄にあること、その結合がアクロメリン酸およびカイニン酸により置換されることを見いだした。以上により、アクロメリン酸およびカイニン酸に共通する受容体が存在する可能性を示すことができた。
|
Research Products
(1 results)