2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20310151
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
藤田 直晴 明治大学, 文学部, 教授 (80167626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畑 精和 明治大学, 政治経済学部, 教授 (30191969)
伊藤 剛 明治大学, 政治経済学部, 教授 (10308059)
虎岩 直子 明治大学, 政治経済学部, 教授 (50227667)
市川 宏雄 明治大学, 政治経済学部, 教授 (80298041)
輿水 肇 明治大学, 農学部, 教授 (60012019)
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Keywords | 多文化主義 / 地域間格差 / エスニシティ / 都市 / 環境政策 / 国際競争力 / ニッチ外交 / 文化政策 |
Research Abstract |
2010年度は、2008年度と2009年度の成果を踏まえ、共同研究者間でそれぞれの分担テーマを成果として公開するために、必要なまとめの作業と追跡調査を世界各地で実施した 本研究の目的は、まずカナダの地球上の多くの国や地域の中でのポジショニングを明確に把握することである。そのうえで、地球上で最も多様な人種および民族が共に生活し、協力しながら、平和で豊かな先進社会を形成していると一般的に評価されているその実相を文化面に視点を置いて把握した。さらに、「多文化主義法」を世界で初めて憲法に明記し、それを国是として、「人類史的実験」を進めている。しかし、内部的には様々な問題が発生している。この点については、2008・2009年度に公開した論文や図書で明にしている。今年ンども、引き続き調査を進めた。結果は、アメリカのラティノと異なり、近年のカナダ移民はアジア系中心で、この民族構成は、アメリカとの差異をもたらしていることが分かった。「多様性」と「共生」という人類普遍のテーマをカナダを通じて描き出すために、業績からも明らかなように、調査範囲を世界に拡大し、カナダとの関係性を考察した。 地理・社会・環境・外交・行政・文化・文学など共同研究者の専門分野から、この点に関する多元的アプローチを、カナダ主要都市で行った。移民の積極的な受け入れに伴い、民族多様化は急速に伸展してきている。しかも、都市では、多くの民族文化を相互に尊重しあい、豊かなモザイク社会を創りあげてきている。このことは、すでに2008・2009年度にも、複数の論文と図書にまとめて公開している。カナダの民族的多様性と世界に広がる豊かなネットワーク資源は、この国のもつ「強み」と「弱み」、「楽しみ」と「苦しみ」に直結している。このことは、文学や文化、社会や環境、政治や経済、中心-周辺的地域構造など様々な文脈で捉えることができた。 現在、本研究課題の成果について、図書として2011年度中の出版に向けて準備中である。
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Research Products
(17 results)