2010 Fiscal Year Annual Research Report
セクシュアリティ、ジェンダー、アイデンティティの構築資源としての日本語研究
Project/Area Number |
20310155
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
中村 桃子 関東学院大学, 経済学部, 教授 (30205372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 響子 横浜市立大学, 国際総合科学部, 教授 (80235332)
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Keywords | メタ言説 / 感情と言語 / 歴史的言説分析 / クィア理論 / メディアとことば / 規範意識 / 談話分析 / 男らしさ |
Research Abstract |
中村は、二つの領域にかかわる研究を行った。ひとつは、日本人が女ことばに対して抱いている感情的価値は歴史的過程に基づいていることを論じた。第二次大戦中に天皇制国家の伝統として称賛された女ことばは、天皇制が象徴に変質した米軍の占領下においても残ったために、日本の伝統という肯定的な価値を与えられたことを指摘した。もうひとつは、日本語の女ことばの歴史的言説分析を、言語とジェンダー研究の中に位置づけて、その理論的重要性を論じた。 佐藤は、人が持っている規範意識と言語行動の関係性を明らかにすることを中心に研究を行った。まず、若い男性の日常会話に注目し、男らしさの規範意識がこの数十年間変化していないことを確認した。さらに、男らしさを表明するひとつの手段として若い男性がどのように会話の主導権を握るのか、その言語的方略をいくつか指摘した。規範意識という目に見えない価値も、具体的な会話場面の中で日々再生産されていることが明らかになった。 マリイ(研究分担者の変更(辞退):平成23年1月31日補助事業者変更承認)は、近年マスコミに登場しているおネエタヒントが用いる言葉づかいの資料を、放送メディア、インターネットメディアや活字メディアなどから収集し、それらを質的ソラト等を用いて分析した。その結果、性的マイナリティのような特定のコミュニティで使用されていた言葉づかいがマスコミというより広いコミュニティへと進出する際には、いおば「超越」するそのことばが新たな働きを担うことが確認できた。言葉づかいの機能は、使用領域を越境することにより変化することが明らかになった。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Queer(y)ing J-TV2010
Author(s)
マリイ・クレア
Organizer
IGALA6 (The 6^<th> International Gender and Language Conference)
Place of Presentation
Tsuda College, Tokyo, Japan
Year and Date
2010-09-19
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