2008 Fiscal Year Annual Research Report
生命・環境倫理における「尊厳」・「価値」・「権利」に関する思想史的・規範的研究
Project/Area Number |
20320004
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
盛永 審一郎 University of Toyama, 医学薬学研究部(薬学), 教授 (30099767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 尚武 鳥取環境大学, 大学院・環境情報学研究科, 客員教授 (10011305)
山本 達 福井医療短期大学, リハビリテーション学科, 教授 (60100666)
今井 道夫 札幌医科大学, 医療人為区政センター, 教授 (70048130)
坂井 昭宏 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 教授 (20092059)
松田 純 静岡大学, 人文学部, 教授 (30125679)
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Keywords | 生命 / 環境 / 尊厳 / 権利 / 価値 / 倫理 / 等価 / 根拠・帰結関係 |
Research Abstract |
尊厳・価値・権利概念が、はたして生命・環境倫理上の問題を読み解く上で、権能を持つか否かを、思想史的・規範的に究明することを通じて、批判しようとするのが本研究の目的である。研究者個々人としては、それぞれ分担の所定の研究課題を遂行し、上記研究テーマへのアプローチを行った。研究グループとしては、共同研究会を2回、講演会を1回開催し、情報交換、並びに共同討議をおこなった。第1回は、7月27日に開催し、「ケアー」の問題と「終末期医療」の問題をシンポジウムとして取り上げた。第2回は、12月25日、26日に開催し、シンポジウムとして<神経倫理>を取り上げた。また、講演会(第3回科研研究会)を1月31日と2月3日に、アーヘン工科大学准教授Markus Stepanians氏を招いて行った。演題は「なぜ、ドイツでは胚研究は禁止されているのか」と「同等の尊厳、同等の権利」という題目で、「尊厳」と「権利」概念の関係について論じてもらった。1949年のドイツ基本法1条1項が意図することは、人間の尊厳を尊重し、保護することは国家の義務であるが、それを享受する国民・人間には尊厳保証の基本的権利が与えられていないということである。その理由は、人間の尊厳がすべての基本権の基礎と源泉を成していること、つまりすべての権利の原点であり、人間の尊厳自体は権利であってならないということと、人間尊厳の保証の絶対性と無条件性は、対応する権利を承認する余地がないということ、つまり尊厳は権利ではないからである。しかし他方「尊厳を持つこと」と「権利を持つこと」は外延的に等価とされている。従って、「尊厳」と「権利」関係は、「根拠・帰結関係」であるとしても、それは機能的意味においてなのである。また、以上の研究会活動報告として生命倫理研究資料集III-I・II(総ページ413ページ)を3月16日に刊行(500部)し、関係機関、研究者に配布した。
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Research Products
(62 results)
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[Presentation] L' effondrement du systeme de soins et la globalisation2008
Author(s)
Chiaki KAGAWA
Organizer
Travail et ethique, colloque international, organise par le Groupe d' etudes sur l' e thique en economie (soutene par la Japan Scoeity for the Promotion of Science), le Centre Europ een d' etudes Japonaises d' Alsace-CEEJA, et le D epartement d'etudes Japonaises de l' Universit e Marc Bloch de Strasbourg
Place of Presentation
Centre Europ een d' etudes Japonaises d' Alsace-CEEJA, Kientzheim
Year and Date
2008-11-08
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