2012 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化時代における文化的アイデンティティと新たな世界文学カノンの形成
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20320052
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
沼野 充義 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (40180690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野谷 文昭 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (60198637)
柴田 元幸 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (90170901)
加藤 有子 東京大学, 人文社会系研究科, 助教 (90583170)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 世界文学 / 翻訳 / 現代日本文学 / 広域英語圏文学 / ラテンアメリカ文学 / ロシア文学 / 東欧文学 / 文学のカノン |
Research Abstract |
平成25年度は「新しい世界文学像とカノンの形成」を主要な研究テーマとして研究活動を行った。 最終年度にあたって、これまでの研究調査成果を統合し、従来の西欧先進国中心のカノンを刷新し、新しい世界文学像を描き出すことを試みた。その際、ゲーテがかつて語ったような普遍的価値をもつ「世界文学」Weltliteraturの概念から、現代の多様な世界文学を捉えようとしているハーヴァード大学のダムロッシュまでの議論を踏まえ、各民族がその独自性を保持しながら多様にして普遍性をもった新しい世界文学がどのように可能になりつつあるか、見通しを示すことを試みた。 研究の総まとめとして、2013年3月2日・3日の二日にわたって東京大学山上会館において100名以上の内外の研究者を集め、様々な分野を専攻する海外からの研究者の参加を得て、国際会議「グローバル化時代の世界文学と日本文学―新たなカノンを求めて」を開催した(日本学術振興会国際研究集会助成による)。そこでは現代における世界文学の多様な側面を討議し、特に日本文学をも視野にいれた世界文学へのアプローチ方法を探究するとともに、欧米の主要国中心に形成された従来の世界文学像の再検討と拡張を試み、新たな世界文学カノンの可能性を模索した。 この会議は全体として次の8つのパネルに分かれ、近現代日本文学、翻訳と世界文学、ラテンアメリカ文学、越境文学と文化の混淆、現代ロシア中東欧文学,などの分野について討議を行ったが、これらのテーマが本科研費による5年間の研究活動のほぼ全体をカバーしている。この会議の報告集は別途編集・印刷して刊行する予定である。 また、2012年に東京大学出版会より刊行された『ユーラシア世界』(全5巻)は本研究と内容的に緊密な関係にあり、これも今年度の研究実績の一環として位置づけられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(27 results)