2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20320059
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梶 茂樹 Kyoto University, アフリカ地域研究資料センター, 教授 (10134751)
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Keywords | アフリカ諸語 / 統語構造 / 声調 / インターフェース |
Research Abstract |
研究代表者の梶は5月から6月にかけての3週間と2月から3月にかけての3週間、ウガンダ西部でトーロ語とニョロ語の調査を行った。トーロ語については、他動詞の自動詞的用法と声調に関する補足調査、そしてニョロ語については一般的な語彙と文法の調査である。声調については、トーロ語は名詞の声調パターンが1種類であることは既に判明していたが、ニョロ語について、音声的には様々なものがありながら、基本的には2パターンであることを明らかにした。研究分担者の米田信子は、タンザニアのマテンゴ語におけるフォーカス表示について、これまでに収集してきたデータをもとにプロソディと動詞活用という2つの側面から分析を行った。またナミビアのヘレロ語の声調体系を明らかにすることを目指し、ヘレロ語名詞の声調と音韻規則について、また動詞の活用形と声調の関係について研究を進めた。同じく研究分担者の古閑恭子は、ガーナのアカン語の文法構造と声調に焦点を当てて研究を進め論文を発表した。また、その研究をベースに8月初めから9月初めにかけて、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所においてアカン語の言語研修を担当した。研究協力者の品川大輔は、2月から3月にかけて、タンザニアのルワ語およびシバ語の調査を行った。シバ語については今回が初めての調査であり、音韻論、(名詞/動詞)形態論の基本的輪郭を把握するための基礎調査を行った。同じく研究協力者の塩田勝彦は、ナイジェリアの主要言語であるヨルバ語の標準語化における声調の問題を研究した。現地調査によりヨルバ語諸方言と標準語の声調、音声、語形成、統語における相違点を明らかにし、標準ヨルバ語の語彙集を編纂した。同じく研究協力者の仲尾周一郎は8月から9月にかけてスーダン南部のパリ語と共通語であるジュバ・アラビア語を調査し、後者に声調が生じていることを明らかにした。
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Research Products
(15 results)