2009 Fiscal Year Annual Research Report
論述プロセスの分析・可視化に基づくアカデミック・ライティング指導法の開発
Project/Area Number |
20320071
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
二通 信子 The University of Tokyo, 留学生センター, 教授 (20254691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 弥生 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (90293092)
佐藤 勢紀子 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (20205925)
因 京子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60217239)
山本 富美子 武蔵野大学, 文学部, 教授 (50283049)
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Keywords | レポート・論文作成への支援 / 論文のタイプ / 論文の論述構造 / 論文の構成要素 / 論文の表現 / アカデミック・ライティング / 専門日本語教育 / 高等教育 |
Research Abstract |
本研究は、論文のタイプ別の論述構造、構成要素、典型的な産出プロセスなどを明らかにし、その成果に基づき留学生の論文作成支援の教材および教室活動の提案を行うことを目的としている。平成21年度は、主に論文作成の支援教材の作成に取り組んだ。具体的には以下の通りである。 まず、前年度に引き続き、論文のタイプ別の構成要素の抽出、およびそれぞれの要素に典型的に用いられる文型や表現、論文全体に共通する接続表現等の抽出および検討を行った。また、それらの文型や表現について、多様な分野の論文からの実例の収集も行った。また、科研メンバーのこれまでの教育経験で得た知見に基づき、学術的なレポートや論文の作成に必要な日本語に関する知識を13項目に整理し教材化を行った。以上の資料をもとに、1)レポート・論文作成のプロセス、2)論文のタイプによる構造の違い、3)論文の構成要素に応じたレポート・論文表現、4)レポート・論文の文章や日本語についての知識、などを系統的に学習できる教材の作成に取り組んだ。試作した教材については、研究グループ内での検討を行うとともに、複数の分野の専門家や留学生にモニターを依頼し、それぞれの立場からのコメントやアドバイスを集約し、教材としての改善を行った。以上のプロセスを経て、21年12月末に、学術日本語の新規参入者のための、論文の構造や論述のプロセスに着目したライティング支援教材(『留学生と日本人学生のためのレポート・論文表現ハンドブック』)を出版した。 今回開発した教材は、これまで漠然としか述べられてこなかった<研究手法による論文の構造や論述プロセスの違い>を可視化するとともに、そのような論述プロセスと結びつけた形でレポート・論文に必要な文型・表現を学習できるようにしたもので、留学生のみならず日本人学生の論文作成にも極めて有効な教材であると考えられる。
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Research Products
(14 results)