2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20320099
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
趙 景達 Chiba University, 文学部, 教授 (70188499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久留島 浩 千葉大学, 国立歴史民俗博物館, 教授 (30161772)
須田 努 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 准教授 (70468841)
慎 蒼宇 都留文科大学, 文学部, 非常勤講師 (80468222)
檜皮 瑞樹 早稲田大学, 付属研究所, 助手 (00454124)
宮本 正明 千葉大学, 世界人権問題センター, 専任研究員 (20370207)
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Keywords | 日本史 / 幕藩体制 / 異邦人 / 近代 / 差別 / 村 / 陶磁器 / 民衆 |
Research Abstract |
当該年度は、前近代研究班・近現代研究班合同で、旧苗代川と鹿児島県全般にわたるフィールド調査を2度にわたって行った。豊臣秀吉の朝鮮侵略の際、島津家は朝鮮から男女43人を連行したとされている。彼らは、苗代川以外に、市来神ノ川、鹿児島前之浜、笠野原の三カ所に分散居住させられた。笠野原には、苗代川の鎮守=玉山神社も分祠されている。当該年度は研究の初年度ということもあり、これらの地域を訪ね、主にはインタビューと史跡調査を行った。その結果、近代から現代にかけて当該地域における差別がやはり強まっていたことが確認された。また、笠野原の玉山神社と苗代川の玉山神社の神事の同質性や相違、氏子のあり方などの違いなどがある程度分かってきた。玉山神社の祭礼に参加したことが大きい。さらに、苗代川の問題を日本大的に考えるために、岡山県牛窓町に行き、統治に伝わる唐子踊りを見学するとともに、調査とインタビューを行った。従来唐子踊りは朝鮮通信使に起源を持つもののようにいわれてきたが、調査の結果起源はもっと古く、朝鮮に出兵した宇喜多秀家が連行した朝鮮人の踊りに由来するものであるようである。苗代川の問題と通底するものが他の地域にも見られる可能性があり、大きな収穫であったといえる。なお、研究分担者は各自担当に関わる文献資料を収集したが、まだよく分からない史料の存在もあり、今後の課題となっている。
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Research Products
(13 results)