2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Integrated research on the world heritage site Itsukushima - from the point of view of tradition, transmission and their change over times
Project/Area Number |
20320103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
KANO Mitsunori Hiroshima University, 大学院・文学研究科, 名誉教授 (30132426)
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Project Period (FY) |
2008 – 2012
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Keywords | 厳島神社 / 伝承 / 厳島文書 / 厳島縁起 / 海上祭祀 / 世界遺産 / 神祇信仰 |
Research Abstract |
交付をうけている研究課題は、種々の伝承に包まれた世界遺産・厳島を人間の営みが造りあげた文化遺産として、人文学の立場から学問的に位置づけ直し、世界遺産としての価値を高めようとするものであり、いわば世界遺産・厳島を神話の世界から人間の世界に取り戻そうとするものといえよう。そのためには、古来から神のみが住む島という神話や、平清盛によって創建されてきた社殿は不変のものであり、神の住む島(一聖地)として崇拝され、近代文明化のなかでも「清浄」の地であったという通説の吟味が必要になる。 これをふまえ、研究計画調書では、(1)島南側の発掘調査ないし発見された考古遺物の分析を進めて、平安期までの時系列による考古学的な分析を行う、(2)平安期の文書・記録史料から佐伯氏など厳島勢力の動向を整理し、清盛時代への基盤形成の跡を明らかにする、(3)近世和書の整理・翻刻を進めるとともに、寄贈者についての調査・データ整理を行う、(4)建築物のデータを整理して、その全体像から文化財学的な考察を行うとともに、大願寺文書の調査を進めて意識而への手がかりを得る、同じく大願寺文書の分析から、近世における厳島神社の神仏分離への動きを考察する、(5)大正・昭和期「芸備目々新聞」の厳島関連記事について収集を進め、文明化と接触した後の姿を分析していくという重点課題を設定していた。また申請時に、それまで非公開の厳島神社棚守(現宮司家)野坂家の文書調査(宮島町史編纂時に撮影されていた近世期写真史料の閲覧)が許可されたため、この点も(6)番目の課題に掲げていた。 もちろん、上記6点以外にも、参加している研究分担者の問題関心にしたがって、厳島をさまざまな切り口から学問的に分析することを計画していたことはいうまでもない。
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Research Products
(15 results)