2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20320115
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小澤 弘明 千葉大学, 普遍教育センター, 教授 (20211823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 禎子 千葉大学, 文学部, 教授 (10225261)
粟屋 利江 東京外国語大学, 総合国際学研究院, 教授 (00201905)
鈴木 茂 東京外国語大学, 総合国際学研究院, 教授 (10162950)
橋川 健竜 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (30361405)
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Keywords | 東欧近現代史 / 新自由主義 / 世界史 / 新帝国主義 / 自由主義 |
Research Abstract |
今年度は、主として五つの分野で研究を遂行した。 第一は、前年度に引き続き19世紀から20世紀中葉の中部・東部ヨーロッパをフィールドとして、古典的自由主義および社会的自由主義の諸問題について三人の若手研究者に報告を求め、ともに検討した。これを通じて、古典的自由主義と新自由主義の連続性をとくに行為規範の観点から明らかにした。 第二に、新自由主義時代の歴史研究のあり方を探るため、小沢はアムステルダムで開催された国際歴史学会議において、グローバル・ヒストリーの方法論に関わる部会に参加し、討論を行った。栗田はバルセローナで開催された世界中東研究会議で新帝国主義の時代から古典的帝国主義を捉える報告を行った。 第三は、新自由主義をもたらした資本主義の構造転換を産業資本主義から知識資本主義への転換ととらえ、その観点から現在の高等教育の変動を把握した。この成果は歴史学研究会総合部会で小沢が報告した。 第四は、比較史の方法から新自由主義時代の歴史研究の方法を検討した。小沢・粟屋・栗田は、「韓国併合」百年を契機とする歴史研究の見直しを新帝国主義という観点から検討し、中東・北アフリカの社会変動を「民主化」ではなく、むしろ新自由主義への異議申し立てという観点から解釈する論考などを発表した。 第五は、文献データの集積であり、前年度の単行本約400冊から今年度は、さらに75冊を加えた。論文点数はなお整理中であるが、最終的には1500本を越える見込みである。
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Research Products
(24 results)