2010 Fiscal Year Annual Research Report
アジアの軍隊にみるトランスナショナルな性格に関する歴史・人類学的研究
Project/Area Number |
20320134
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 雅一 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (00188335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 航 京都大学, 文学研究科, 准教授 (10303900)
江田 憲治 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (80176768)
小池 郁子 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (60452299)
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Keywords | 兵士 / 戦争 / トランスナショナリズム / コロニアリズム / 教育 |
Research Abstract |
本研究の期間を4年とし、その期間内に文化人類学的および歴史学的視点から日本を含む東アジア、東南アジア、南アジアを中心に活動している軍隊を、そのトランスナショナルな性格に注目して分析することを目的とする。国民によって組織される軍隊は、国民国家を構成する主要な組織である。兵士になることとは、ナショナリズムの理念を体現し、真の「国民」になることを意味する。軍隊・兵士と国家、国民、ナショナリズムは密接に結びついているのである。そのような国民、兵士・男性、国家という結びつきが垂直的なものとすると、複数の国家を横断する形で軍隊が水平的(トランスナショナル)に存在することもまた事実である。このことは、一般社会においても、学術的な点からも十分注目されてこなかった。本研究の目的は、この水平的な性格を明らかにすることである。 3年目となる平成22年度は、1)分担者らのフィールドワーク、2)共同研究、3)関連文献の収集を主たる活動とした。平成22年度は他国での駐留の影響と同盟諸国との交流を重点研究とした。国立歴史民俗博物館で、韓国での合同調査の報告会を開き、同館の戦争展示などを分析した。また米軍基地で働く日本人に、基地のトランスナショナルな性格について語ってもらった。これ以外に、韓国での米軍基地に関する合同調査で実施したインタビューのテープ起こしや収集資料の日本語訳などの作業を行い、23年度にその成果を報告集という形で公刊予定である。さらに2011年6月に開催予定の日本文化人類学会大会での分科会の企画と発表の準備や、戦争をめぐる日中映画の比較をめぐる国際シンポ(2011年7月予定)などにも積極的に関与している。
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Research Products
(7 results)