2009 Fiscal Year Annual Research Report
日独比較による日本の量刑実務の特性に関する理論研究
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20330013
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡上 雅美 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (00233304)
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Keywords | 量刑 / 刑事制裁 / 裁判員制度 / 刑罰 |
Research Abstract |
本年度は、日独シンポジウム「量刑法の基本問題」を開催し、その成果を報告書にまとめることを基軸に活動した。ドイツは、職業裁判官と素人裁判官が共同して、量刑までを含む裁判に関与する参審制を採用しているという点で、わが国の裁判員制度のモデルとなった国の1つである。その意義は、一方では、ドイツおよび日本の裁判実務上の問題点を比較して明らかにすることにより、わが国の裁判員制度が直面しようとする諸問題を解決する視座を得ることにあった。他方では、刑法理論の側面において、ドイツの刑罰論および量刑法の最新の状況に関する情報を収集し、意見交換をすることにあった。取り扱った内容は、刑罰の正当化根拠・目的、責任概念といった基礎理論から、量刑事実論、量刑の統計的概観、刑事手続法における量刑、判決文の記述方法に至るまで、理論的に関心を呼び、かつ、実務上重要な論点を厳選して、検討の対象とした。 わが国の裁判員制度は、シンポジウム開催当時(2009年9月)には、施行後3カ月を数えるにすぎず、なおその理論上・運用上の問題点が実務および学会に共有されていない初期段階であったが、とくに裁判員が量刑を行うにあたり、職業裁判官の果たすべき役割が何かということは、まさに指針が示されるべき問題であった。シンポジウムは、研究者のみならず、裁判官の出席が多かったことは特筆されるべきであり、まさに実務家の間に、量刑の理論的根拠づけが必要とされていることが明らかとなった。その成果には、その意味でまさに現代的な緊急の重要性がある。いったん報告書の形にまとめたが、後に、単行本の形で公刊される。
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Research Products
(4 results)