2009 Fiscal Year Annual Research Report
弱者包有的災害復興法学の考察--補償・居住福祉・地域再生との関係で
Project/Area Number |
20330019
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 邦彦 Hokkaido University, 大学院・法学研究科, 教授 (00143347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 和男 神戸大学, 名誉教授 (60116241)
人見 剛 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30189790)
池田 恒男 龍谷大学, 法学部, 教授 (60092128)
今野 正規 関西大学, 法学部, 講師 (10454589)
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Keywords | 災害復興 / 中山間地 / 被災者生活再建支援法 / 火山活動 / 地震被害、水害、竜巻被害 / 原発など嫌忌施設 / 都市爆撃 / 弱者包有的復興 |
Research Abstract |
本年度は、2年目でもあり、主として、日本国内の災害調査に当たり、研究会メンバーは鋭意その成果を発表している。すなわち、(1)地震問題として、玄海地震にっき、玄界島を訪ねて、高齢化する離島が地震に直面した後の復興状況(不良住宅改良事業の転用。所有方式から賃貸方式へのシフトなど)を調査したし(2009年10月)、また新潟中越地震の被災地(旧山古志村)の被災5年後の復興状況、中山間地の営農、住宅再建などの調査及び中山間地の現場のものが交流する居住福祉サミットを開催した(同年11月)。さらに、有珠の火山活動に関する問題については、本年度も学生とともに、ジオパーク建設が進む洞爺湖町を訪問して調査した(同年12月)。 その他、(2)水害問題として、多くの高齢者の被害者も出た山口県防府市の水害状況、高齢者の避難状況などを調査し(同年10月)、さらに、アメリカのカトリーナ・ハリケーンで水没したニューオーリンズ市の被災5年後の復興状況も再調査した(2010年1月)。また、(3)わが国最大の竜巻被害を受けた、北海道佐呂間町若佐地区を訪ねて、被災者との討論会を催した(2009年5月)。 さらに、やや異種の(人為的)災害問題として、(4)原発問題、その地震リスク、さらには放射能漏れについても、随時調査しているが、今年度は、山口県の上関原発の入会訴訟の現地を訪ねた(2009年10月)。こうした嫌忌施設の延長線上で最大のものにより、風光明媚な中山間地が狙われる構造への対処策なども、検討中であるが、沖縄や北海道の基地問題などもその一環で捉えうる。 また、(5)都市爆撃問題も人為的災害であり、今も中近東では日常の問題であるが、かつてのわが国の責任ないし戦後補償問題とも関係する中国重慶、四川省奥地を訪ねて、被災者調査及び関係の研究者・弁護士との意見交換を行った(同年10月、12月)。 これらの成果については、鋭意発表しており、今後もその予定だが、日本土地法学会では、居住福祉についてのシンポが開かれ、吉田、早川がパネリストとして、報告・討論した(同年10月)し、また、吉田は、武漢都市問題シンポで、都市紛争につき発表し(同年10月、於、武漢大学)、さらに、日韓土地法学会においても、入会紛争の問題にっき報告した(同年11月、於、韓国全州大学)。
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Research Products
(22 results)