2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20330021
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森際 康友 Nagoya University, 大学院・法学研究科, 教授 (40107488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 恒雄 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20127715)
長谷部 恭男 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (80126143)
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Keywords | 法曹倫理 / 公共性 / 法実務教育 / よい紛争処理 / 社会的責任 / 国際情報交換 / 多国籍 |
Research Abstract |
4月下旬、共同研究者3名で研究体制作りのため研究打合せを行い、引き続き、各自が分担研究を開始、並行して海外調査の準備を進め、5月末、パリにて森際がフランス側研究協力者と打ち合わせ、共同研究者3名は7月下旬に東京で研究・海外調査の打ち合わせを行った。その上で、第1に、9月下旬、共同研究者3名で渡欧、欧州各国の研究協力者を集め、法曹倫理の現況と課題についての国別レポート、共通の理論的教育的課題の同定を中心とする国際会議をパリで開催、併せて2009年度の研究打ち合わせを行った。各国とも法曹倫理の理論的基礎の探求が課題であることが確認された。第2に、共同研究者3名は続けてイタリアに移動し、10月上旬、ミラノ・パヴィア・ボローニャの弁護士・研究者に面接、イタリアの司法制度とそれを担う人材のエートスにまで立ち入って調査した。弁護士数が多いこともあり、その職業倫理が危機的状況にあることを確認した。第3に、教育実践については、森際が本年度も8月下旬、ドイツ裁判官アカデミーで裁判官倫理について講演、本年からはその理論的基礎に重点を置いた講演を行い、裁判官の自己理解を助けた。第4に、理論研究について、2008年5月、法社会学会で森際が報告、2009年3月上旬には、愛知法曹倫理研究会で共同研究者松本と長谷部が中間報告を行い、実務家と活発な議論を行った。一方、森際は愛知法曹倫理研究会有志および関西学院大学大学院司法研究科大学院教育推進プログラム関係者と、「法曹倫理教育におけるシミュレーション教育の有効性」について共同研究を10月から開始、利益相反と守秘義務が交錯する事例についてシナリオを作成、これを演じたシミュレーションをDVD録画し、2009年1月末の公開研究会で成果を発表した。研究者と実務家が熱心に議論し、企業倫理と法曹倫理の交錯など、興味深い研究テーマの発見をもたらした。
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Research Products
(10 results)