2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20330025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大串 和雄 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (90211101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 眞 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10171943)
本名 純 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (10330010)
月村 太郎 同志社大学, 政策学部, 教授 (70163780)
根本 敬 上智大学, 外国語学部, 教授 (90228289)
狐崎 知己 専修大学, 経済学部, 教授 (70234747)
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Keywords | 政治学 / 暴力 / 人権 / 比較政治 / 発展途上国 |
Research Abstract |
平成22年度は、次年度以降に大規模プロジェクトにつなげるべく、各自が研究を深化させた。大串和雄は、移行期正義に関して、世界の現場における傾向と研究の状況をフォローした。木村正俊は、ハマース憲章の検討を通じてイスラームにおける人間の安全保障を考察した。狐崎知己は、中南米各国の政治・社会的暴力の要因と動向を分析するとともに、同分野の研究動向の総括を行った。またメキシコにおいて、麻薬絡みの組織犯罪に関する研究動向と政府の対策を調査するとともに、社会的暴力との関連で、サンルイスポトシ州の先住民居住地域における社会開発の調査を行った。千葉眞は、デモクラシー論との関連で新しい市民社会概念およびアカウンタビリティの概念の重要性に着目し、その関連で東アジアの文脈において戦後日本政府による戦後責任の履行の不十分性について研究した。さらに継続的に戦後日本社会における平和運動と平和憲法擁護論の意義と問題点について研究した。月村太郎は、バルカン地域の現状を歴史的に展望し、インターフェイス的な周辺地域であったバルカン地域にはヨーロッパの他地域に見られない特徴が見られたが、東西冷戦後のEUの東方進出に伴いそれが失われつつあることを指摘した。根本敬は、英領期ビルマ(1886-1948)における政治と暴力の複合に関する問題に取り組み、とりわけ1930年代の都市部在住のビルマ民族を中心としたナショナリズム運動(反英運動)にあらわれた暴力と、同時期に生じた宗教的対立(仏教対イスラーム、ヒンドゥー対イスラーム)のなかで生じた暴動に注視し、それを取り締まる植民地当局側の暴力の行使実態と合わせ、この時代の歴史の再検証を試みた。本名純は、インドネシアでの越境犯罪を分析し、組織犯罪の拡大と民主化の関係を明確化した。
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Research Products
(24 results)