2008 Fiscal Year Annual Research Report
紛争と協調の学際的研究-国際関係学と経済学の融合を目指して
Project/Area Number |
20330033
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 基史 Kyoto University, 大学院・法学研究科, 教授 (00278780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 敬輔 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (00316895)
石黒 馨 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20184509)
岡田 章 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90152298)
古澤 泰治 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80272095)
山本 吉宣 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (20092025)
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Keywords | 国際関係理論 / 経済理論 / ゲーム理論 / 国際紛争 / 国際協調 |
Research Abstract |
現代国際関係は、情報や経済取引などの点でグローバル化が進展する半面、安全保障と政治経済の両領域で、紛争と協調の構図が地域化しているというパラドキシカルな側面を有している。安全保障の領域では、多くの地域で国家が破綻し、それに伴う法秩序の瓦解によって内戦、大規模人権侵害などが発生し、隣接地域の平和と安全に重大な脅威を与えている。一方、政治経済の領域では、東アジアや中南米などで金融危機が発生したことにくわえ、世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉の行き詰まりを背景に、多くの地域貿易協定が締結され、協定が非締約国に与える負の外部効果が懸念されている。普遍的な国際制度の限界が露呈している状況で国々は、地域レベルで安全保障や政治経済の問題に対処することを迫られている。経済困窮が国家を破綻に追い込み、国家の統治不能が経済的困窮をもたらすならば、ふたつの問題は密接に連動しているといえる。それゆえ、ふたつの問題を同時に考察することが意味を持ち、それが本研究の目的として据えられた。国際関係学と経済学の専門家による本研究は、安全保障と政治経済の領域における紛争と対立の背景にある共通問題を解明し、解決する方途を探究しようとするものである。それらの問題とは、(1)主体間で適切な提携を形成するという提携形成問題、(2)有限価値を主体間で円満に分配するという分配問題、(3)分配や主体の行動に関して、信頼可能な約束を樹立するという約束履行問題である。どの問題であれ、問題の原因や問題の激化過程を考察するには適切な分析モデルの構築が不可欠である。この点から、初年度の平成20年度では本研究の構成員全員が主体の行動目的や認識、制度や規範、権力関係などに関わる情報の収集を行った。その上で、分析モデルを構築し、モデルを基に解析作業を進め、経験的検証に用いられる仮説を導出する作業を行った。
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Research Products
(14 results)