2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Analysis of a Coalition from Several Angles : a Foundational Research of Cooperative Game Theory
Project/Area Number |
20330037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Economic theory
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
IMAI Haruo Kyoto University, 経済研究所, 教授 (10144396)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | 提携 / 提携形成 / 協力ゲーム / 非協力ゲーム / 契約 |
Research Abstract |
本計画では、提携の多面性を中心に不確実性と動学という、協力ゲーム分析では比較的分析が手薄な側面を取り上げ、提携の存在が及ぼしうる効果についての分析枠組みを提供することを第一の目標とし、それと平行して、この概念整理に基づいて地球環境問題などに対処する国際協調枠組、企業の組織構造、政治メカニズム、社会構造などの問題についての応用へと展開することを目指す。 具体的には、まず、上述の成果である、事後配分に基づいた提携構造に関する結果の、一般化と拡張を試みる。とくに、動学的な提携形成の構造をより体系化して、重層化した提携構造の解としての導出を図る。これに関して、とくに問題となるのが、逐次型提携形成ゲームの、均衡提携構造の順序依存性であり、その性質と解としての適切性を問う。これと平行して、上述の課題の解決に取り組む。 (1)配分機能が限定されたような提携の機能の分析、(2)逐次交渉型提携形成モデルの諸類型の解の有効性の比較、さらに、それと、既存の協力ゲーム解との関連性に関する結果の有効性を検証する。(3)提携形成を含む非協力ゲーム分析の解、(強ナッシュ均衡や提携耐性均衡などを含む、)を比較検討し、それぞれの妥当性を保障する条件を明らかにした上で、体系化された分析枠組みの可能性を検討する。(4)非対称情報を、提携形成後の行動と、提携形成の内容や、その事実が他のプレイヤーに明らかにされない、などの諸種の条件の下で導入して、各種の手法の有効性を比較検討する。(5)協調の基盤を何に求めるかは、基本的ではあるが現在のところ最終的な道筋への展望は得られていない。そのために、上記の問題の検討過程の中からいくつかの仮説を比較検討して足がかりを得るための布石とする。
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Research Products
(9 results)