2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハード・ソフト・サービス融合型デザイン開発の戦略的活用手法の研究
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20330088
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
河原林 桂一郎 Shizuoka University of Art and Culture, デザイン学部, 教授 (20387525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 幹生 京都工芸繊維大学, 国際デザインマネジメント研究センター, 特任教授 (00448010)
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Keywords | サービスデザイン / デザイン経営 / デザイン価値 / 感性価値創造 / デザインマネジメント |
Research Abstract |
ハード・ソフト・サービス融合型デザイン開発について内外の成功事例の中からApple社のiPod/iPhone、任天堂のwii、トヨタのLexusを参考とした自動車、電機業界を中心に調査を重ね、過年度に仮説(KFS)として抽出したレガシーフリー、マイクロマネジメント、ユーザーインヴォルブメントを基に成功要因と失敗要因、問題解決に費やされたデザイン活動、デザイン開発を3つに類型化した。(1)破壊的イノベーションによる新市場開拓型デザイン開発(2)戦略的プロトタイプ提示型デザイン開発、(3)オープンソースによるユーザー参画型デザイン開発 以上の開発の中でのデザイン部門の主導性要件は、ファシリテーター機能発揮に集約された。ハード・ソフト・サービス融合型デザイン開発に於ける仮説提示能力、可視化技術は、ユーザーのニーズやウォンツを調整する能力として企業におけるイノベーションを促進するだけでなく、新しいコンセプトを確立するビジネスモデルの展開がより重要になっている。ユーザーの経験価値を創出できる製品やサービスが新価値創造ビジネスを発展させる役割として大きく期待されている。 「価値を創出する開発」では、ユーザーの潜在的ニーズの発見だけでなく、ユーザーとのコラボレーションを伴うネットワーク型デザイン開発が、新たにクローズアップされた。製品(ハードウェア・ソフトウェア)と関係があるコンテンツとソリューションを含めたサービスとの間の関係性の観点からこれらを統合した事業での成功の可能性に大きく影響を与えている可能性が高いことが分かった。企業がユーザーとの関係性をビジネスモデルに生かす事業展開は、ユーザーインヴォルブメントによって顧客主導型商品開発が現実味を帯びてきたといえる。
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