2009 Fiscal Year Annual Research Report
サービス組織のブランド戦略に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
20330090
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
藤村 和宏 Kagawa University, 経済学部, 教授 (60229036)
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Keywords | サービス・ブランド / 地域ブランド / 観光地 / 職務満足 |
Research Abstract |
平成20年度の研究において、観光地のホテルでは地域のブランドとホテルのブランドが2重構造を形成しており、一体としてブランド戦略を考える必要があることが明らかになったことから、平成21年度は、観光地の地域ブランドもサービス・ブランドに含まれるものとして捉え、地域ブランドの盛衰について理論的・実証的に考察した。その結果、地域ブランドの価値体系の実体化には物理的環境、地域資源、サービス従業者、地元住民、および観光客がかかわっているが、特に観光客数の増大とタイプの変化は地域ブランドの盛衰に強くかかわる原因変数として機能することが明らかになった。また、観光地における特定の個人あるいは組織の「コントロール力」と「地域文化」が地域ブランドの価値体系の実体化と維持に強くかかわっており、それらが強力であるほどブランドの構築と維持が行われやすいことが推察された。 また、ホテルでのヒアリング調査から、サービス組織のブランドは顧客を吸引すると同時に、ブランドの価値体系を共有できない顧客に自主的に選択・利用を放棄される装置として機能すること、さらに、有能な従業員の獲得、彼らの職務満足とモチベーションの向上に貢献することが推察された。このことから平成12年度は、従業員に対するサービス組織のブランドの効果を明らかにするための量的調査を3つのホテル・グループの協力を得て実施した。3500票を配付し、約3000票の有効回収があり、現在入力中であるが、ホテルのブランド・イメージが高いほど、職務満足は高い傾向が見られた。さらに、ビジネスホテルよりも、シティホテルの従業員の方がブランドに対する知覚や職務満足は高い傾向が見られた。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
藤村和宏
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Journal Title
「小売サービスにおける顧客価値の創造・実現~サービス・マーケティング論の視点から~」、『小売業革新』(高嶋克義・西村順二編著)(千倉書房)
Pages: 17-36
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[Journal Article]2010
Author(s)
藤村和宏
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Journal Title
「地域ブランドとしての観光地の盛衰に関する考察~由布院温泉と黒川温泉を事例として~」、『地域観光の文化と戦略』(香川大学経済学部ツーリズム研究会編)(リーブル出版)
Pages: 253-297
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