2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Theoretically and Empirically Examining the Brand Strategies of Service Organizations
Project/Area Number |
20330090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Commerce
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
FUJIMURA Kazuhiro Kagawa University, 経済学部, 教授 (60229036)
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Project Period (FY) |
2008 – 2012
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Keywords | サービス / ブランド / 組織コミットメント / 職務意欲 |
Research Abstract |
サービス・マーケティングでは、モノのマーケティングに比べて、ブランドの構築・強化・活用はこれまであまり強調されることはなかったが、サービスの特質である無形性がサービス組織および顧客にもたらす諸問題を解決あるいは低減する手段の一つとして必要であると考えられる。 無形性のために、顧客は選択意思決定過程で、サービス品質を評価することが困難になっている。強力なブランドは、サービスがどのような意味を持ち、どのような価値を提供し、どのような問題を解決するのか、そして競合サービスに対してどのような差別的優位性を持つのか、などを表現し、顧客にこれらを知覚させることで、この問題の解決あるいは低減に貢献することができるであろう。さらに、サービス・デリバリーでは、顧客にも適切な参加と役割遂行が必要とされ、それらのあり方も顧客満足やブランドの意味形成に重大な影響を及ぼす。強力なブランドは、顧客の参加と役割遂行に関する適切なスクリプトあるいは行動規範を提供することが可能であると考えられる。 また、労働集約的なサービスの場合、サービス品質はデリバリーに参加する従業員のパフォーマンスの質に大きく左右されるが、強力なブランドを有するサービス組織は有能な人材を効率的に吸引することが可能であるだけでなく、彼らの組織に対するコミットメントや職務に対するモチベーションを高めることも可能であると考えられる。 このように、サービス組織においてもブランドの構築・強化・活用が重要であると考えられることから、本研究では、サービス組織におけるブランドの構築・強化、およびブランドを活用したマーケティング戦略の方向性について理論的・実証的に考察することを目的としている。 本研究では、サービス組織のブランド戦略の効果、問題点、構築・強化・活用などの方向性を理論的・実証的に考察するために、文献研究とともに、サービス組織、従業員および消費者に質的および量的調査を実施する。 (1)サービス組織に対する質的・量的調査質的調査としては、経営者やマーケティング担当者に対するヒアリング調査とサービス・デリバリー・システムの観察調査を行なう。ヒアリング調査では、ブランド概念の考え方、構築・強化の目的と方法、活用方法、問題点などについて聴取する。 量的調査は、サービス業界を絞って、日本国内で事業をしているサービス組織(外資系企業も含む)を対象として実施することを予定している。 (2)従業員に対する質的・量的調査質的調査としては、所属するサービス組織を選択した理由、ブランドの効果、働きがいなどについてヒアリング調査を実施する。対象サービス組織は、前述の経営者やマーケティング担当者に調査を実施する組織である。量的調査は、日本国内で事業をしているサービス組織(外資系企業も含む)を対象として実施する予定である。 (3)消費者に対する質的・量的調査質的調査としては、選択意思決定過程におけるブランドの役割や、ブランドがデリバリー・プロセスでの行動や服装に及ぼす影響などについての意見を聴取するために、グループインタビュー調査あるいは個人を対象としたヒアリング調査を実施する予定である。 量的調査は、香川県内に在住の18~70歳の人を対象として実施する予定である
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