2008 Fiscal Year Annual Research Report
中小企業のビジネス・ネットワークの構築戦略に関する実証研究
Project/Area Number |
20330092
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
竹村 正明 Meiji University, 商学部, 准教授 (30252381)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 章光 近畿大学, 経営学部, 教授 (60319796)
細井 謙一 広島経済大学, 経済学部, 教授 (30279054)
王 怡人 流通科学大学, 商学部, 准教授 (20290538)
富野 貴弘 明治大学, 商学部, 准教授 (90366899)
原 頼利 明治大学, 商学部, 准教授 (30366900)
|
Keywords | 中小企業 / マーケティング / ネットワーク / 経営戦略 |
Research Abstract |
平成20年度は、中小企業のビジネス・ネットワークの構築戦略について理論的な検討を行った。本年度の研究課題は達成された。 中小企業のビジネス・ネットワークの管理が、イノベーションの再生産に貢献することが理論的に確認された。中小企業の経営戦略の中心的課題は、大企業と長期安定的な取引関係を維持することではなく、イノベーション再生産構造の構築に求められる。イノベーションの再生産構造とは、継続的に新技術を生み出す組織戦略のことである。これまでのところ、イノベーションの再生産構造に触れた議論は、野中の一連の研究だけであり、それはしかし、大企業の内部での知識移転を理解しようとしている。本研究は、焦点が中小企業であり、そこには大企業のような経営資源としての重厚な知識はあまりない。にもかかわらず、中小企業はイノベーションを再生産することが多い。そこでは、組織内部の知識移転とは異なるダイナミクスが働いていると予想される。 本年度はネットワーク理論を用いて、そのダイナミクスを分析する枠組みを開発した。われわれが注目するのはネットワーク拘束度である。これは関係する相手にどれだけ自分の行動が制約されるかの測定尺度である。この尺度を用いれば、取引相手との拘束度の程度を測定することができる。拘束度が高いということは、資源の移動に制約があるということであり、そこではイノベーションの程度が低いと考えられる。来年度は、この理論枠組みを測定可能な変数に変換する、操作化の作業を行い実証研究の準備をする。
|
Research Products
(7 results)