2009 Fiscal Year Annual Research Report
中小企業のビジネス・ネットワークの構築戦略に関する実証研究
Project/Area Number |
20330092
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
竹村 正明 Meiji University, 商学部, 准教授 (30252381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 勉男 明治大学, 政治経済学部, 客員教授 (20514178)
廣田 章光 近畿大学, 経営学部, 教授 (60319796)
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Keywords | 中小企業 / マーケティング / ネットワーク / オープン・イノベーション |
Research Abstract |
平成21年度の主たる課題は、中小企業の取引ネットワークの拘束度を測定る尺度の開発と変数の操作化であった。ネットワーク拘束度は、自分のネットワークが取引相手によって分断されている程度のことである。拘束度は0から1までの値をとり、0は拘束度が低く、自分が自由に動き回れる程度が高いことを意味している。逆に拘束度の高さは、取引相手の少なさ、取引量の少なさに依存する。拘束度そのものはBurt(1992)の定義があるので、それを採用するのであるが、問題は中小企業の取引ネットワークのどの数字を拘束度として採用するのか、ということである。計量社会学ではもっぱら取引の有無だけで判断する。したがって、取引ネットワークの規模が大きければ拘束度が低くなる傾向がある。しかし、トヨタとデンソーの取引を考えればわかるように、仮にデンソーの方が取引ネットワーク数が多いとしても、トヨタがデンソーに対して拘束度が低いとは考えづらい。中小企業の場合もそうである。経営学のネットワーク拘束度の尺度が必要である。 そこで、ネットワーク拘束度に実践上の実態を与えるために、変数操作化と並行して、さらに中小企業の取材を続けた。そこでわかってきたことは、拘束度は取引ネットワークの規模の大小というようにスタティックに決まってくるのではなく、進化することである。本年度は、大規模なサーベイを行い、尺度の有効性を確認する。昨年度までの取材の成果は、本年度中に書籍として出版する計画である。
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Research Products
(4 results)