2009 Fiscal Year Annual Research Report
メトロポリスからの外部性と創造性:千葉エリアからみる中心-周縁のシステム変容
Project/Area Number |
20330100
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
尾形 隆彰 Chiba University, 文学部, 教授 (80125913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬塚 先 千葉大学, 文学部, 教授 (70009752)
中澤 秀雄 中央大学, 法学部, 教授 (20326523)
桜井 厚 立教大学, 社会学部, 教授 (80153948)
片桐 雅隆 千葉大学, 文学部, 教授 (90117937)
澁谷 望 千葉大学, 文学部, 准教授 (30277800)
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Keywords | 外部性と創造性 / NPO・まちづくり / 記憶の社会学 |
Research Abstract |
本プロジェクトチームが拠点とする千葉は、何重もの意味で、日本社会の構造変動の今後を占うような戦略的な位置にあるが、研究の蓄積が浅い場所である。東京メトロポリスの外部性を引き受ける一方で、郊外住民のポテンシャルを発揮しつつ新しい社会動向を先取りして創造性を発揮しやすいという、大都市の両義性を反映するシステム論的位置を持っているからである。この特徴的なエリアで叢生する市民活動の事例研究や、総合的サーベイ・空間分析を通じて、既存の「中心-周縁」軸を変容させるシステム変動のポテンシャルを発掘しようとするのが本課題の趣旨である。 研究を開始した平成20年度には、教育・福祉関連分野、余暇観光・生活関連分野において簇生しつつある社会企業・NPOや、それと関わって展開される自治体政策についてのパイロット的な現地調査を行い、そのポテンシャルを確かめた。具体的な対象地は、浦安市、千葉市稲毛区、鴨川市、などである。このうち浦安地区における調査結果は、犬塚の編集のもとで「はっけん!うらやす」と題する調査報告書として、昨年度末に刊行された。二年目にあたる今年度は、これらの事例を更に掘り下げ、来年度に実施する大規模サーベイの準備を進めた。継続する事例調査としては、桜井・片桐・中澤が稲毛地区における東京湾の「記憶」の聞き取りを、稲毛商店街振興組合が主導する「第4回いなげ夜灯まつり」とタイアップしながら進めた。参加型調査の結果、この活動が既存の地域組織の再編成を促し、新しい地域活性化モデルを創り出しつつあることを確認できた。一方、研究代表者の尾形は、学部学生の調査員とともに、(1)鴨川市におけるリタイア移住者の調査、(2)稲毛海岸地区や浦安地区におけるレジャー活動の調査を実施し、創発される新しい活動や意識のあり様を探った。研究分担者の渋谷、米村、出口は、それぞれ有機農業運動や福祉・介護業界における新しい取り組みについて予備的リサーチを行い、来年度の本格調査に備えた。なお、尾形を中心とした研究成果については報告書が来年度中に刊行される予定である。また稲毛地区のまちづくりと記憶に関する調査成果も、中澤の編集によって今年度中には報告書としてまとめられる予定である。 以上のような調査の過程で、数人の大学院生にも積極的に関与してもらうほか、研究補助員一名に代表者・分担者の活動を補佐してもらった。
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Research Products
(1 results)