2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20330101
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
倉田 良樹 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 教授 (60161741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 史子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 講師 (40386652)
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Keywords | 業務請負型間接雇用 / 雇用関係の構造化理論 / ブローカーシステム |
Research Abstract |
雇用関係の構造化理論の枠組みによって、業務請負型間接雇用を形成する主要アクターである業務請負(=人材送り出し)企業、発注(=人材受け入れ)企業、労働者の三者それぞれに関して、定量的および定性的なデータを収集し、その実態を明らかにすることに努めた。製造業全体の動向について統計データの分析、既存アンケート調査の再集計作業を行った。自動車産業と情報サービス産業、流通産業を対象として、同じく統計データの分析と既存アンケートの再集計という方法を用いて業種別分析を実施した。これらの分析を通じて、現在、日本の業務請負型間接雇用は、非正規雇用労働市場全般の構造変動の渦中にあり、将来動向を考察するには以下のような点のさらなる解明が必要であるとの知見が得られた。これらの点について、2009年度の研究においても継続的に取り組む。 (1) それぞれの雇用形態(請負、派遣、外国人、パート、契約社員など)ごとの労働力の過不足状況に関する企業の認識が、業種別、企業規模別、地域別に大きく異なっていること。 (2) 間接雇用に関して一定のセクターに注目して継続的な観察を行った場合、短期的には、景気変動に応じて増大、減少、消滅を繰り返していることを観察することができる一方、中長期的に見れば、労働市場のなかのある特定のセクターにおいて、ブローカーシステムを含めた間接雇用システムが一旦確立すると、活用企業はそこにロックインされて、そのシステムに依存せざるを得ない状況に陥る傾向がある。 (3) 依然として企業の人的資源管理における属性主義は強固に残存しており、このことが、非正規雇用の様々な形態のなかでの間接雇用の位置づけを規定している。
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Research Products
(10 results)