2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本帝国崩壊後の人口移動と社会統合に関する国際社会学的研究
Project/Area Number |
20330103
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
蘭 信三 Sophia University, 外国語学部, 教授 (30159503)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野人 直美 琉球大学, 法文学部, 准教授 (90264465)
大久保 明男 首都大学東京, 教養課程, 准教授 (10341942)
松浦 雄介 熊本大学, 文学部, 准教授 (10363516)
坂部 晶子 島根県立大学, 総合政策学部, 助教 (60433372)
飯島 真理子 上智大学, 一般外国語教育センター, 講師 (10453614)
|
Keywords | 人口移動 / 社会統合 / 日本帝国崩壊 / 引揚げ / 送還 / 国境線の変更 / アメリカの極東戦略 / 東アジアの戦後体制の構築 |
Research Abstract |
本年は、昨年までの研究成果の学会報告やシンポジウムと共に海外調査を行い、じつに実り多い年だった。 まず、(1) 8月23日に札幌で一般を対象とした「シンポジウム 日本帝国崩壊後の人口移動と社会統合」を開催し本研究班の成果を報告し、実り多い質疑があった。また、参加者からは樺太引揚げについての体験を聞きとって欲しい希望が出された。ついで、(2) 10月8日の東アジア社会学者会議では、蘭信三、飯島真里子、坂部晶子、松田ヒロ子、中山大将がセッションを構成して報告し、多くの質疑がとりおこなわれた。とりわけ、東アジア3国の国際学会で初めて日本帝国に関する研究報告を行った点の意義が大いに評価された。さらに、(3) 3月25日のアメリカアジア研究学会で蘭と飯島が研究報告し、蘭は沖縄満洲会を事例とし、飯島はダバオ慰霊団を事例として報告し関心を集めた。 また、蘭、大久保、松浦らを中心に蘭編著『中国残留日本人という経験』勉誠出版(全650頁)を刊行し、これまでのこの研究班の研究成果の一部を世に問うた。さらには、『科学研究費補助金中間報告 日本帝国崩壊後の人口移動と社会統合に関する国際社会学的研究』を編集し、刊行準備を行った(本年6月刊行予定)。 そして、国際調査としては樺太調査、フィリピン調査、そして中国延辺調査に出かけて多くの調査データを得ることが出来た。 以上のように、日本帝国崩壊後の東アジアにおける人口移動の実態と地域再編、そして社会統合に関する知見を確実に積み上げるとともに学会で研究報告し、一般にもシンポジウムとして研究を公開し社会貢献に努め、平成21年度の交付申請書に示した研究目標はほぼ完全に遂げることが出来た。
|
Research Products
(3 results)