2008 Fiscal Year Annual Research Report
現代社会における統制と連帯:階層と対人援助に注目して
Project/Area Number |
20330113
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
景井 充 Ritsumeikan University, 産業社会学部, 准教授 (30340483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 いづみ 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (30454507)
中井 美樹 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (00241282)
崎山 治男 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (20361553)
天田 城介 立命館大学, 先端総合学術研究科, 准教授 (70328988)
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Keywords | 承認 / 分配 / 階層 / ケア / 心理主義 |
Research Abstract |
実施初年に当たり、本研究二大プロジェクト(1、2)及び補完的テーマ群(1〜7)に関して、基本コンセプト、理論・概念の精査に取り組んだ。 プロジェクト1.「階層化とライフスタイル」に関しては、社会関係資本概念を導入したライフスタイル研究を精査し、その理論的、分析的有効性を確認した(中井)。またプロジェクト2、「心理主義化とケア」では、日本における心理主義化の系譜学的考察を行った。1990年代と2000年代との間で、それまでの「心構え」を説く抽象的なものから、心理学的手法が次第にTPOに併せたものに変化していることを、言説分析を通して明らかにした(崎山)。 補完的テーマ群1.「分配と承認」、6.「分配と承認を接続する理論定位」では、介護保険・障害者自立支援法などの社会保障制度を中心とする「分配」の問題と、対人援実践における「承認」や「肯定」をめぐる問題を理論的/論理的に検討し、社会理論としてどのように「分配」と「承認」が順接/逆接することが可能かを明らかにした(天田)。さらに2.「社会統制と連帯」及び4.「現代社会の自他の承認」では、社会の液状化と人間の個人化という新たな社会状況を踏まえ、日本社会の原型的な集団編成原理を批判的な社会学的視点から探った(景井)。3.「個人主義化とジェンダー」では二大プロジェクトを受け、女性のライフスタイルと社会関係資本に関する定量調査を精査し、本研究に必要な概念枠組み、分析装置の設定に取り組んだ(中井)。5.「心理主義の社会史」では、これまでの感情労働論を精査し、それが感情規則に呼応した限定的なものであり、むしろ多様な感情を分析する際にはさらなる概念の精査が必要であることを示した(崎山)。7.「尊厳死言説と承認をめぐる問い」では、尊厳死言説編成過程をめぐる問いを分析し、そこにたちあらわれる生権力のありようを検討するこれまでの研究を成果としてまとめた(大谷)。 このように本年度は当初の予定通り二大プロジェクトを基盤に据えつつ、補完テーマ群を精査しながら、次年度以降の二大プロジェクトの実査の準備を整えた。
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Research Products
(36 results)
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[Journal Article] 全体討議コメント22009
Author(s)
天田城介
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Journal Title
有馬斉・天田城介編. 『物語・トラウマ・倫理-アーサー・フランク教授を迎えて』 (生存学研究センター報告5)立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点発行 No. 5
Pages: 91-94
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