2009 Fiscal Year Annual Research Report
教師による「教育的瞬間」の把握・判断に関わる心理的メカニズム
Project/Area Number |
20330138
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鹿毛 雅治 Keio University, 教職課程センター, 教授 (80245620)
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Keywords | 教師の授業力 / 評価的思考 / 教育的瞬間 |
Research Abstract |
本研究では、「教師の出」を「教育的瞬間」の把握・判断にもとづいた行為として位置づけ、教師の「授業力」について独自の視座から解明を試みるとともに、教師を「学び手」としてとらえ、「授業力」を身につけるための新たな研修システムを構想し、その具体的な方法について提言することを目的としている。本年度は、理論構築を一層推進するとともに、昨年度に構築した研究体制を基盤としてデータの収集および分析に着手した。具体的には、(1)理論的検討、(2)データ収集と分析、(3)情報収集・研究交流の3つの研究活動に従事する。 (1)の「理論的検討」に関しては、「教育的瞬間」の把握・判断を規定する教師の心理的変数として想定される(1)知識、(2)信念、(3)興味、(4)着眼のそれぞれについて、昨年度に引き続き、国内外の先行研究を精読することによって理論化の基礎を固めるとともに、これらと評価的思考(把握、判断、活用)及び教師行動(「教師の出」)の関連を検討した。(2)の「データ収集と分析」に関しては、藤沢市教育文化センター教育実践臨床研究部会及び熊本大学教育学部附属小学校における授業研究に関するデータを昨年度に引き続き収集し、これらを用いた分析枠組みについて検討を行った。(3)の「情報収集・研究交流」については、とりわけ、教師の評価的思考及びアクションリサーチについて理論的、実践的な検討を国際的視野で行なうために、アメリカ心理学会及びヨーロッパ教授学習心理学会に参加し、情報収集および研究交流を行った。
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