Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布井 博幸 宮崎大学, 医学部, 教授 (50218260)
池ノ上 克 宮崎大学, 理事 (60232211)
鮫島 浩 宮崎大学, 医学部, 教授 (50274775)
佐藤 正二 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (30107205)
佐藤 容子 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (50196284)
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Research Abstract |
本研究は,3つの問題を検討することを目的として行った。(1)胎児期の睡眠リズム形成状況の発達障害の予測可能性(2)リスクを持つ子どもへの早期介入による,保護者・子どもの行動への効果検証(3)リスクを持つ子どもへの追加的介入プログラムの改善効果検証 目的(1)については,胎児期において睡眠リズムの形成が遅れた子ども,形成時期が通常である子どもを抽出し,発達検査と保護者評定による「子どもの行動傾向測定尺度(CSB-RS)」および子どもの愛着行動の評価,スタッフによる「行動傾向評価」の結果を比較した。現時点では,睡眠リズムの形成時期と子どもの問題行動傾向との間に有意な関連性は見出されていない。 目的(2),(3)については,発達障害リスクのある子どものための,標準的介入プログラムおよび追加的介入プログラムの実践を行った。この結果,幼児版・小学生版の標準介入は,母親の養育スキルやストレスを改善するだけでなく子どもの問題行動傾向を改善する効果をもつことが証明された。さらに,個別臨床的介入のペアレント・トレーニングプログラム標準介入プログラムは,RCTの手続きによって,母親の行動傾向や子どもの問題行動傾向を有意に改善することが示された。これらの結果については,国内外の学会において発表した。また,学部の研究倫理審査の規定制定が遅れたため,現在審査中であるが,これらの成果は論文として投稿する。 本研究の遂行を通して,調査対象児にみられる神経学的・心理学的な問題が予想以上にバラエティに富んでいるため,明確な結論を導くためにはさらに多くのサンプルが必要であり,活動を継続していく必要性が明らかになった。さらに,周産母子センターと障害が明らかになった子どもの療育センターを繋ぐ機関としての機能が評価されてきた。今後は,マクロな視点から,エビデンスを蓄積する研究,エビデンスにもとついたシステムの改善に取り組んでいく。
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