2010 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスマネジメントを用いた禁煙支援プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
20330146
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Research Institution | Osaka University of Human Sciences |
Principal Investigator |
山田 冨美雄 大阪人間科学大学, 人間科学部, 教授 (50183687)
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Keywords | ストレス解消 / 禁煙支援 / ニコチン離断症状 / PPI / 動機づけ面接 / コールセンターオペレータ / 難病患者 / 看護師 |
Research Abstract |
ストレス解消手段として喫煙を継続する人には、たんに禁煙を強要しても実効性は薄い。そこで、まず喫煙とストレス、コーピングとの関係をストレスが高いとされるコールセンター・オペレータ1000名、難病患者1000名、工場勤労者80名、および看護師200名を対象として調査を実施した。その結果、どの集団においても喫煙者は非喫煙者・禁煙実行者に比べてコーピングのレパートリーが少なく、ストレッサやストレス反応も強いことが示された。そこで、ストレスマネジメント教育の観点から、喫煙以外のストレスコーピングを指導することが禁煙指導に効果的であると考え、禁煙希望者に対して、呼吸法を主とするリラクセーション技法を指導しつつ、認知行動療法の技法を用いた禁煙支援プログラムを開発し、禁煙中のニコチン依存症状とニコチン離断症状としてのストレス反応を計測することによって、禁煙の効果を評価する実験を計画した。本実験では、喫煙者12名に対して1週間の禁煙を課し、禁煙前、禁煙1週間経過後、および2週間後の3回、評価をおこなった。すなわち、ニコチン依存度はFTNDにより、ニコチン離断症状を驚愕性瞬目反射のPPI(先行刺激抑制効果)により評価した。その結果、1週間の禁煙後、3名はそのまま禁煙を継続したが9名は再度喫煙を開始し、中でもニコチン離断症状が顕著な2名は、1週間の禁煙中にも喫煙をおこなっていた。禁煙により、集中力減退などの症状は現れず、PPIは鮮明となり、むしろ禁煙により精神症状の改善がみられた。以上のことから、禁煙による注意力増加等の心的効用を強調した動機づけ面接の内容を盛り込んだ禁煙指導が肝要と結論づけられた。
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Research Products
(5 results)