2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20330161
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
加野 芳正 香川大学, 教育学部, 教授 (00152827)
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Keywords | マナー / 礼儀作法 / エチケット / 教育社会学 / 教育思想 / 文明化 / ルール |
Research Abstract |
1.マナーは道徳と法の中間に位置づく準ルールであり、この両者と関係しつつも独自の領域を形成している。本研究は、「マナー」の問題を教育学・教育社会学の立場から、以下の4つの視点から研究していくものである。具体的には、(1)人間形成におけるマナーの問題、(2)型としてのマナー(礼儀作法)の変質と衰退、(3)文明化、社交、権力、暴力とマナー、(4)マナーの育成と形骸化について。 2.本年度は連携研究者を含めた全体研究会を2回開催した。12月に高松で、2月に京都で行った。この2回の研究会では全員が、マナーに関する研究テーマを設定し、個人研究を報告した。これらの個人研究は編著書として出版するので、出版計画を立案した。書物のタイトルを「マナーと礼儀作法の人間学」(仮題)とすること、編著書は(1)マナーと礼儀作法をめぐる原理的考察-人はなぜマナーを必要とするのか、(2)文明化・近代化のなかでマナーがどのように作られ、変容していったのか、(3)現代社会におけるマナーの諸相、(4)学校教育におけるマナー、の4つの領域で編集する。 3.日本人のマナーについての実証的研究は大学生を事例として行った。調査そのものは前年度に実施したものであるが、それをより詳細に分析するとともに、自由記述の分析から「すいません」「ありがとう」の声かけ、食堂や図書館の席が埋まっている時につめて座る、挨拶をする、などの行為が嬉しいマナーの代表的なものであることがわかった。全体として大学生はマナーを状況に応じて使い分けていることがわかった。
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Research Products
(8 results)